【パーツ】7 ☆ ページ36
「Aちゃん、具合悪いの?」
「へ?!」
完全に作業の手を止めて一人悶えていたので、いつの間にか近くまで来ていたジョニーさんに気付かず、あろうことか身体の心配をされてしまった。
「なんだか落ち着きがないような気がして…。」
大丈夫?と優しく声をかけてくれるのだけど、まさか妄想の世界に入っていたなど言えるわけもない。
「だ…大丈夫です。」
しかも慌てて作業を再開したものだから、笑われてしまった。
「ふふ、ユヅルがこれを着たのを想像してたのかな?」
「違いますって…。」
しかもしっかりバレてる。
「そういえばユヅル、練習後にここへ来るって言ってたけど、遅いなあ。」
「え、そうなんですか?」
ジョニーさんからの情報に、再び私の手が止まる。
「ユヅルは何にでも全力だから衣装だって妥協しないの。今回は特に思い入れがあるみたいで、もう何度もアイデアを出しあってるんだよ。」
「すごいですね…。」
それで最近お帰りが遅かったんだ。
お仕事に練習に衣装に…休む間もなく働いているゆづ王子を心から尊敬しつつ、お身体をこわさないようにと願いながら、また羽の製作に取りかかる。
すると不意にノックの音が部屋に響いて、またまた私の手が止まる。
そして私たちが返事をする前に扉が開いて、聞きなれた声が耳に届く。
「こんにちわ〜。」
「あら、噂をすれば。」
ゆづ王子が、今朝出掛けたままの黒い上下でぴょこっとドアから顔を出した。
「あ、Aも来てたの。」
「はい。お手伝いしたくて…。」
「あんま無理しないでよー?…あ、羽のパーツ作ってくれてたんだ。」
とてとてと跳ね歩きながら、背中の羽をふわふわさせつつ私の向かいの席に座る。
「たくさん必要だそうで。一つでも多く作れればと思っているのですが…。」
「Aちゃんには座って作業してもらう方がいいかなって。」
さっきからほとんど進んでいないので少し申し訳ないのだけど、ジョニーさんの言う通り今は小さなことをコツコツやって協力するしかなさそうだ。
「そうだね。じゃあ俺もやろっかな〜。」
ゆづ王子がおもむろに、羽とラインストーンを私と同じようにテーブルに並べていく。
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鹿(プロフ) - みなみさん» どうなるんでしょう?!フリーどうなるんでしょうか!昨日はなかなか寝付けず、今日は遅めに起きました^^;朝のニュース、ずっとイチローさんで、ちょっとがっかり!? (2019年3月23日 8時) (レス) id: 73ad5e2308 (このIDを非表示/違反報告)
みなみ - サルコウが…サルコウがぁぁぁ…!点差が大きいな…。一面に書かれる言葉を気にしていたゆづだけど、全部イチローさんに持っていかれましたね。やっぱりイチロー引退には勝てないよね。そうか、イチローが引退か…。野球ファンでなくとも、結構おおきいな、これは。 (2019年3月22日 8時) (レス) id: 42f93678ff (このIDを非表示/違反報告)
鹿(プロフ) - みなみさん» 以前より、声が良くなった気がします^^そうとう使ってるなと思ったんですが…。(絶対家で歌いまくってると思われ)早く日本に帰ってこないかなー! (2019年3月18日 17時) (レス) id: 73ad5e2308 (このIDを非表示/違反報告)
鹿(プロフ) - 心菜さん» すごい!現地観戦だなんて!楽しんで応援してくださいね^^帰国はまだかなー。ニュースも目が離せないですね! (2019年3月18日 17時) (レス) id: 73ad5e2308 (このIDを非表示/違反報告)
みなみ - あっちもこっちも見るところがいっぱいあって、王子はやきもちやいちゃいますね。雪肌精のCM、素敵ですね。芝居の台詞はダメでも、ナレーションは心地よい声で向いてる気がします。引退後はあちこちから引っ張りだこでしょうね。 (2019年3月17日 19時) (レス) id: 42f93678ff (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:鹿 | 作成日時:2019年2月15日 20時