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【三つの真実】5 ★ ページ22

“あの橋脚…一本柱が抜けただろう…”


「あっ!」

Aが間髪入れずに声を上げる。


“僕が支えてあげなかったら…全員川へ落ちていたな…”


そして、お前たちも帰らぬ人だ…。と一歩間違えたら大惨事だったことを知る。

「確かに橋の下で音がして、丸太が一本流れていました。」

「待って!それって欠陥ってこと…。」

Aと当時のことを思い出す中で、ざわついたあの瞬間起こったことに今さらながら身体が震える。

つか、このまま工事を進めるのは危険だ。
途中でまた事故が起きないよう、一刻も早く村に引き返して知らせなきゃ!


“縄の結びが一ヶ所だけ緩かったのだ…小さなきっかけで全てが崩れるのは珍しい事ではない…”


「じゃあ早く直させないと!」

のん気に話なんてしている場合じゃない。
俺は一先ず馬車を停めようと、御者に声をかけるために中腰になる。
するとニジンスキーが余裕の表情でこう言った。


“案ずるな…すでに魔力で修復済みだ…”


「……。」

そうなのかよ。

「でも、今日一日で私たちがこんなにニジンスキーさんに助けられていたなんて…。」

Aが胸に手をあてながら、安堵のため息をつきつつ目を閉じる。
お腹の子を守ることが、俺を含め他の人たちの命をも救うことに繋がったのだ。

「ニジンスキー、ありがとうマジで。」

キスアンドクライでするように、前のめりでお礼を言う。


“礼なら言葉より態度で示せ…”


え?
てっきりこのまま終わりかと思ったら、あろうことか見返りを要求された。

「態度って…。」

頭でも下げろってか。
さっきまで良い気分だった手前、ちょっとムッとしつつ口を尖らせると、察したAが横から割って入ってきた。

「ニジンスキーさん。王子さまではなく、私がお礼を…。」

俺に理不尽なことをさせまいと思ってのことだろう。しかし…。

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鹿(プロフ) - みなみさん» どうなるんでしょう?!フリーどうなるんでしょうか!昨日はなかなか寝付けず、今日は遅めに起きました^^;朝のニュース、ずっとイチローさんで、ちょっとがっかり!? (2019年3月23日 8時) (レス) id: 73ad5e2308 (このIDを非表示/違反報告)
みなみ - サルコウが…サルコウがぁぁぁ…!点差が大きいな…。一面に書かれる言葉を気にしていたゆづだけど、全部イチローさんに持っていかれましたね。やっぱりイチロー引退には勝てないよね。そうか、イチローが引退か…。野球ファンでなくとも、結構おおきいな、これは。 (2019年3月22日 8時) (レス) id: 42f93678ff (このIDを非表示/違反報告)
鹿(プロフ) - みなみさん» 以前より、声が良くなった気がします^^そうとう使ってるなと思ったんですが…。(絶対家で歌いまくってると思われ)早く日本に帰ってこないかなー! (2019年3月18日 17時) (レス) id: 73ad5e2308 (このIDを非表示/違反報告)
鹿(プロフ) - 心菜さん» すごい!現地観戦だなんて!楽しんで応援してくださいね^^帰国はまだかなー。ニュースも目が離せないですね! (2019年3月18日 17時) (レス) id: 73ad5e2308 (このIDを非表示/違反報告)
みなみ - あっちもこっちも見るところがいっぱいあって、王子はやきもちやいちゃいますね。雪肌精のCM、素敵ですね。芝居の台詞はダメでも、ナレーションは心地よい声で向いてる気がします。引退後はあちこちから引っ張りだこでしょうね。 (2019年3月17日 19時) (レス) id: 42f93678ff (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:鹿 | 作成日時:2019年2月15日 20時

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