【みんなのゆづ】2 ★ ページ35
「そうは言うけど、あの時は他に方法がなかったんだって。」
刑事と結婚していなければ、しもべにさえ出来ずに、身体を乗っ取られていただろう。
これは苦肉の策なのだ。
「俺なら願い下げだ。結弦は知らないだろうが、魔族と狐族は数千年に渡って敵対関係にある。」
「へぇ〜、そんなに。」
「同じ空気を吸うのも嫌だ。Aには悪いがしばらく雪のある場所で過ごすことにする。」
「あ、Aのことは全然気にしないでいいから。」
刑事からAの名が出てくる度にいちいち否定してしまう俺も大人げないけど、二人の関係についてはこれっぽっちも認めてないので、何度でも突っ込む。
「結弦にAが守れるのか。俺が魔女の一件で気を失っている間に何があったかは知らないが、目覚めた時に生きていてほっとした。」
まだ少し残っている擦り傷を気にしながら刑事が言う。
それを見ていたら、伝えておかなきゃいけない大事なことを思い出して、俺は慌てて背筋を伸ばした。
「あ、そうだ。刑事には言っておくわ。A子供ができたから。」
「なんだと…。」
刑事の肩をぽんと叩いて伝えると、ただでさえ鋭い目付きでギロリと睨まれる。
「だからこの際Aのことはきれいさっぱり忘れて〜、新しい女の子見つけてよ。」
「狐族の子の誕生は…。」
「それやったら重罪だからな。」
刑事の険しい表情とは対照的な笑顔で告げつつも、厳しい言葉で牽制する。
がっくりとうなだれる刑事には悪いけど、もう子供も生まれるのだから、そろそろこの件に関してはきっちり線を引いた方がいい。
「帰るか…。」
「北の大地に?」
「この魔物にとっても、俺がここにいない方がいいだろう。」
そしてふと寂しそうに呟きつつ、それもいいかなと思う。
一人になってじっくりこれからのことを考える時間も時には必要だ。
「最後にAに会ってく?」
「いや、もう今日帰る…。」
一応きちんとお別れをした方がいいかなと提案してみたけど、これは思った以上にダメージがでかそうだな。
でも同情することはできないから、引き止めずにこのまま本人の意思を尊重しよう。
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鹿(プロフ) - 智枝さん» ありがとうございます!!!!私はほぼ毎日よその小説を読み漁っているので、普通はたまに読むものなんですね〜。妄想は^^しかし全部のチケットを持っているとは…。おぬし何者!?私はFaoi参戦だから! (2019年2月15日 19時) (レス) id: 73ad5e2308 (このIDを非表示/違反報告)
智枝 - 超絶久しぶりに来たああああ!進みすぎて追い付くまで時間が必要だぜ。お話の感想は読んでからしやす(笑)とりま、明日のせせん公式練習のチケ取りがんばる!ちなみにせせんはオールイベントチケで全日観戦しやすv(^ω^)v (2019年2月14日 23時) (携帯から) (レス) id: 8a519c5c92 (このIDを非表示/違反報告)
鹿(プロフ) - みなみさん» けんかじゃないので、すぐに元通りになりそうですね^^はやく来季の試合を書かねばならないのですが、まだそこまでたどり着かないという…。四大陸の結果もちらほら入ってますね!みんながんばー! (2019年2月8日 16時) (レス) id: 73ad5e2308 (このIDを非表示/違反報告)
みなみ - 王子の感情は羽に現れるのですね。王女にはバレバレ。視察が終わったら、もう帰りの馬車で仲直りできそうな気がしますが、どうでしょうか?明日から四大陸選手権。女子たち頑張れ!あと、友野くんに期待です。刑事くんも自分に負けるな!昌磨は強気で優勝だ! (2019年2月8日 1時) (レス) id: 42f93678ff (このIDを非表示/違反報告)
鹿(プロフ) - みなみさん» そうですね!行ったり来たりしてもらいます!前回は羽生さんがペットを飼ったらこんな感じかなあ〜って書きました^^けっこうドSに攻めそうじゃないですか?着々と主従関係ができてます! (2019年2月4日 16時) (レス) id: 73ad5e2308 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:鹿 | 作成日時:2019年1月5日 13時