【対立】1 ☆ ページ28
☆主人公サイド
「でもさ、ニジンスキーがしもべになったのはいいとして、今どこにいるの?」
ふと美姫さんが、飲んでいたグラスを置いて呟く。
そう言えば先日王子さまから、私のお腹にいる皇子を守ってくれるようお願いしてくれたけれど、あれからぱったりと姿を見ていない。
ゆづ王子は冗談で、温室にいるんじゃない?なんて言ってたけど、はたしてどうなのだろう。
「うーん…。」
なんとなく辺りを見渡してみると、不意に温室の一角からシロの唸るような鳴き声が聞こえてきた。
それはまるで威嚇しているようでもあって、そのただならぬ雰囲気に突発的な何かを感じる。
「あれ?ケンカかな。」
察した佳菜子さまが我先にと様子を伺ってくれる。
私も気になったので、立ち上がってシロがいるであろう場所へと向かうと…。
「ギャウッ!ギャウッ!」
「あっ!」
木の上へ向かって吠えるシロの視線の先には、なんとさっき話題に上がったニジンスキーさんがいた。
なんかちっちゃい!と佳菜子さまが指を差しつつ叫ぶ隣で、私もびっくりして目を見開く。
大きさはともかく、まさかゆづ王子の予想通り、本当に温室にいたなんて…。
“うるさいな…果物くらい落ち着いて食べさせてよ…”
真夜中に見たままの姿で、妖精の様なニジンスキーさんが枝にちょんと腰かけつつ器用に食べているのは…洋梨だ。
「あら〜、なんて可愛らしいサイズ!」
美姫さんが笑いながら側へと近寄っていくにつれ、佳菜子さまも落ち着かれたのか、安堵しつつ私に笑顔をむける。
「シロも欲しいんじゃない?」
「えぇ…でもこの洋梨は、他国への献上の品なので…。」
パトリックから、毎年近隣諸国へ配るために育てている特別な果物だと聞いていたから、食べちゃダメだよって、二匹には日頃からきつく言っておいたはず。
おそらくシロは正義感から、無断で食べている彼を咎めているのではないだろうか。
“狐はあっちへ行け!”
そんな中、ニジンスキーさんが近くに実っている洋梨を一つもいで投げつけた。
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鹿(プロフ) - 智枝さん» ありがとうございます!!!!私はほぼ毎日よその小説を読み漁っているので、普通はたまに読むものなんですね〜。妄想は^^しかし全部のチケットを持っているとは…。おぬし何者!?私はFaoi参戦だから! (2019年2月15日 19時) (レス) id: 73ad5e2308 (このIDを非表示/違反報告)
智枝 - 超絶久しぶりに来たああああ!進みすぎて追い付くまで時間が必要だぜ。お話の感想は読んでからしやす(笑)とりま、明日のせせん公式練習のチケ取りがんばる!ちなみにせせんはオールイベントチケで全日観戦しやすv(^ω^)v (2019年2月14日 23時) (携帯から) (レス) id: 8a519c5c92 (このIDを非表示/違反報告)
鹿(プロフ) - みなみさん» けんかじゃないので、すぐに元通りになりそうですね^^はやく来季の試合を書かねばならないのですが、まだそこまでたどり着かないという…。四大陸の結果もちらほら入ってますね!みんながんばー! (2019年2月8日 16時) (レス) id: 73ad5e2308 (このIDを非表示/違反報告)
みなみ - 王子の感情は羽に現れるのですね。王女にはバレバレ。視察が終わったら、もう帰りの馬車で仲直りできそうな気がしますが、どうでしょうか?明日から四大陸選手権。女子たち頑張れ!あと、友野くんに期待です。刑事くんも自分に負けるな!昌磨は強気で優勝だ! (2019年2月8日 1時) (レス) id: 42f93678ff (このIDを非表示/違反報告)
鹿(プロフ) - みなみさん» そうですね!行ったり来たりしてもらいます!前回は羽生さんがペットを飼ったらこんな感じかなあ〜って書きました^^けっこうドSに攻めそうじゃないですか?着々と主従関係ができてます! (2019年2月4日 16時) (レス) id: 73ad5e2308 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:鹿 | 作成日時:2019年1月5日 13時