【これから】6 ★ ページ21
自分の身体に起こると言われていた変化。
それは、思いがけず背に生えたこの黒い羽のことだろう。
病気じゃないかとひやひやしたけど、命に関わることじゃなくて本当によかった。
「ゆづさん、お茶がはいりましたよ。」
ほっとしつつ、全てのことを解決できた安堵感に浸っていると、Aがお茶の乗ったトレーを持ってこっちへこようとしたので、慌てて止める。
「あ、俺がそっちいくわ。」
ソファーから立ち上がって小走りに側まで寄る。
そしてさっとトレーを奪ってひとまず側のテーブルに置いた。
「ゆづさん?」
そして、こっちで飲も。と朝食を食べるときみたいに向かい合わせに座る。
「へへ、なんかさ。ここにもう一個椅子置いて三人家族になるって考えたら、めっちゃ幸せじゃない?」
右側の空いている空間をまるっと囲みながら想像を交えて話をする。
「男の子か女の子か…。どちらでしょうね。」
「あ、どっちの名前も考えなきゃだめか!」
さすがに性別は生まれるまでわからない。
ニジンスキーに聞くつもりもないので、うーん、と腕を組んで少し考えてみる。
「世継ぎなら良いのですが…。」
するとAがお腹をさすりながら、王族特有の発言をした。
「何言ってんの、元気ならどっちでもいいよ。」
「ですが…。」
「Aが生む俺らの子供だよ?そんなの、どっちでもいいに決まってるじゃん。」
そりゃ男の子を生んで、安心したいAの気持ちも分かる。
でも、たとえ女の子しかできなくても、国を途絶えさせない方法はいくらでもあるのだ。
「ゆづさん…。」
「王女さまが国を収めている所なんて一杯あるよ。もう男だからとか女だからとか。そんな時代じゃないと俺は思ってる。継ぐべく者が継ぐ時代だよ。」
大事なのは将来、王になる器があるかどうか。
周りの力も借りつつ、正しく育てていかなきゃならない。
どんな子だっていいんだ。無事に生まれてくればそれでいい。
「ゆづさん…。」
「だから安心して子供を生んでね。」
Aはそれだけに専念してくれればいいのだ。
「ではまず…氷の神様のご加護を受けに参らねば…。」
「そうね!近いうちに一緒いこ!」
頼れるものは何でもお願いしなきゃ。
こうして。ずーっと仲良く、一緒にいられることに、言い様のない幸せを感じていた。
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鹿(プロフ) - 智枝さん» ありがとうございます!!!!私はほぼ毎日よその小説を読み漁っているので、普通はたまに読むものなんですね〜。妄想は^^しかし全部のチケットを持っているとは…。おぬし何者!?私はFaoi参戦だから! (2019年2月15日 19時) (レス) id: 73ad5e2308 (このIDを非表示/違反報告)
智枝 - 超絶久しぶりに来たああああ!進みすぎて追い付くまで時間が必要だぜ。お話の感想は読んでからしやす(笑)とりま、明日のせせん公式練習のチケ取りがんばる!ちなみにせせんはオールイベントチケで全日観戦しやすv(^ω^)v (2019年2月14日 23時) (携帯から) (レス) id: 8a519c5c92 (このIDを非表示/違反報告)
鹿(プロフ) - みなみさん» けんかじゃないので、すぐに元通りになりそうですね^^はやく来季の試合を書かねばならないのですが、まだそこまでたどり着かないという…。四大陸の結果もちらほら入ってますね!みんながんばー! (2019年2月8日 16時) (レス) id: 73ad5e2308 (このIDを非表示/違反報告)
みなみ - 王子の感情は羽に現れるのですね。王女にはバレバレ。視察が終わったら、もう帰りの馬車で仲直りできそうな気がしますが、どうでしょうか?明日から四大陸選手権。女子たち頑張れ!あと、友野くんに期待です。刑事くんも自分に負けるな!昌磨は強気で優勝だ! (2019年2月8日 1時) (レス) id: 42f93678ff (このIDを非表示/違反報告)
鹿(プロフ) - みなみさん» そうですね!行ったり来たりしてもらいます!前回は羽生さんがペットを飼ったらこんな感じかなあ〜って書きました^^けっこうドSに攻めそうじゃないですか?着々と主従関係ができてます! (2019年2月4日 16時) (レス) id: 73ad5e2308 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:鹿 | 作成日時:2019年1月5日 13時