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【小石一つ分の命】4 ☆ ページ31

「そんな…Aちゃんが…。」

目の前の美姫さんが膝から崩れ落ちる。
その絶望的な表情に、これがどんなに理不尽なことか悟った私は、一気に全身が震える。

「私…死んじゃう…。」

とたんに訪れる恐怖と、込み上げる何かを耐えるため、無意識に口許を押さえる。

「ニジンスキー、他に方法はないの。てかあるよね。こんな犯罪じみたことがまかり通るのなら、これは王子として見過ごすことはできない。」

頭の上から聞こえるゆづ王子の声が、心なしか震えているように感じて、とたんにすがり付きたくなる。


“勘違いしないでくれないかな…僕は魔族だから…この国とはなんの関係もないんだよ…”


「言ってろ。もしAに何かしたら、俺の全権限をもってお前を裁く。つか消す。」


“どうぞご自由に…まぁこの世に生けるものでもない僕を裁けるのなら…の話だけどね…”


くくく…。と不気味な笑いで、私の心をさらに恐怖に陥れてゆく。
逃げ出したいけど動けないし、叫びたいけど震える声ではそれも無理だ。

ほんの数時間前まではとても楽しく過ごしていたのに、なぜ今こんなことになっているのだろう…。

ふわふわしていて地につかない足で、意識を手放さないようにするのがやっとだった。





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鹿(プロフ) - suzuranさん» 最近お話がぽんぽん進んでしまうので、ゆっくり更新したいのですが、ここで止めると怒られそうで、いつもついつい更新してしまいます^^;書きたいことがはっきりしている時はたくさん進むんですが、一区切りついてしまうと難しいですね。 (2019年1月2日 20時) (レス) id: 73ad5e2308 (このIDを非表示/違反報告)
鹿(プロフ) - るりさん» 誰もが羽生さんの幸せを願ってる^^それはまだ結婚とかではないのかもしれないけど、いつかは結婚して欲しいなあ〜と思いながら日々書いています。主人公との再会はもう少しあと…かなあ? (2019年1月2日 20時) (レス) id: 73ad5e2308 (このIDを非表示/違反報告)
suzuran(プロフ) - あけましておめでとうございます! たくさんの更新ありがとうございます(^^) ゆっくり気長に4A待ちましょう! 予想の斜め上を行くお方ですから、今年もたくさん驚かされるんだろうなぁ。 (2019年1月2日 8時) (レス) id: 4f2407ab74 (このIDを非表示/違反報告)
るり(プロフ) - あけおめです!魔王に乗っ取られなく一安心。王子と主人公ちゃん再会できてないんですもんね。早く安心できるといいなぁ。更新早くて嬉しいです。寝る前に読むのが楽しみです(^^)/今年も羽生さんにとって幸せになる年になることを願います! (2019年1月1日 22時) (レス) id: 9a360f115b (このIDを非表示/違反報告)
鹿(プロフ) - みなみさん» 昨年はたくさんのコメントありがとうございました!とても励みになりました。最近オリジン脳になってて、もうアニメキャラのようになっています^^;このお話が終わったら…どうしようかな〜〜 (2019年1月1日 15時) (レス) id: 73ad5e2308 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:鹿 | 作成日時:2018年12月6日 17時

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