【捜索】2 ☆ ページ19
「美姫さん…?」
「私も魔女の端くれだからね。願い事専門の魔物ちゃんを呼ぶことはできんの。」
ぱんぱんと汚れた手を払って、なぜかそこら辺に落ちていた枝を手に取った。
「ちょっと待って!今魔物を呼ぶって言ったけど、大丈夫なの?」
佳菜子さまがむくりと起き上がって、私の気持ちを代弁してくれる。
そうだ、いくらなんでもいきなり魔物なんて危険なのでは?!
「大丈夫。今まで何度も呼んでるから。でも次でお願いは最後だよって言われてたから、特別な時にとっておきたかったんだけど…。ま、クワドくんは大事な家族だからね。」
そんな私たちの心配をよそに、美姫さんが土が剥き出しになっている地面に、慣れた手つきで丸やら星やらの図形を描いてゆく。
つまり、これから魔物を呼んで、ラスト一回のお願いをクワドくんの捜索に充てるということのようだけど…。
「でもどうして最後なんですか。」
「あんまり詳しく知らないけど、前呼んだ時はもうけっこうな年齢なんだって言ってたよ。」
ご高齢の方なのかなと想像していると、いつの間にか地面に半径1メートルくらいの円形の陣が出来上がっていて、美姫さん得意気に枝をぽいっと投げ捨てた。
「さぁ、出来た!」
「これは…。」
「魔法陣。」
まじないの時に使うような、かなり本格的なものがそこにある。
こんなの初めて見たけど、ここから魔物を呼び出すのかな…。
「あの、せめてゆづ王子をお呼びした方が…。」
なんだかこのまま進んでゆくのが怖くなった私は、佳菜子さまのお側まで近寄って美姫さんに打診する。
127人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
鹿(プロフ) - suzuranさん» 最近お話がぽんぽん進んでしまうので、ゆっくり更新したいのですが、ここで止めると怒られそうで、いつもついつい更新してしまいます^^;書きたいことがはっきりしている時はたくさん進むんですが、一区切りついてしまうと難しいですね。 (2019年1月2日 20時) (レス) id: 73ad5e2308 (このIDを非表示/違反報告)
鹿(プロフ) - るりさん» 誰もが羽生さんの幸せを願ってる^^それはまだ結婚とかではないのかもしれないけど、いつかは結婚して欲しいなあ〜と思いながら日々書いています。主人公との再会はもう少しあと…かなあ? (2019年1月2日 20時) (レス) id: 73ad5e2308 (このIDを非表示/違反報告)
suzuran(プロフ) - あけましておめでとうございます! たくさんの更新ありがとうございます(^^) ゆっくり気長に4A待ちましょう! 予想の斜め上を行くお方ですから、今年もたくさん驚かされるんだろうなぁ。 (2019年1月2日 8時) (レス) id: 4f2407ab74 (このIDを非表示/違反報告)
るり(プロフ) - あけおめです!魔王に乗っ取られなく一安心。王子と主人公ちゃん再会できてないんですもんね。早く安心できるといいなぁ。更新早くて嬉しいです。寝る前に読むのが楽しみです(^^)/今年も羽生さんにとって幸せになる年になることを願います! (2019年1月1日 22時) (レス) id: 9a360f115b (このIDを非表示/違反報告)
鹿(プロフ) - みなみさん» 昨年はたくさんのコメントありがとうございました!とても励みになりました。最近オリジン脳になってて、もうアニメキャラのようになっています^^;このお話が終わったら…どうしようかな〜〜 (2019年1月1日 15時) (レス) id: 73ad5e2308 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:鹿 | 作成日時:2018年12月6日 17時