【にがうり草】5 ☆ ページ24
まさか本当にマイさん…。
さっきご挨拶した時は元気そうだったのに。
そうして、私が彼女の元へとたどり着く頃には人だかりはさらに増えていて、その中心にゆづ王子が膝まづいていた。
「マイさん！」
「い、痛たたた…。」
身体が痛むのか、腕や足をさすっている。これではとても話せる状態ではなさそうだ。
「マイちゃん！！」
さらに今しがたゆづ王子との練習を終えたカオリさんも、人混みを掻き分けて側までやって来た。
そして、発作かも…。と不安そうに呟く。
「誰か、彼女を医務室へ！」
ゆづ王子が用人に指示を出す。
そんな様子を見ていることしか出来なくて情けなく思っていると、慌ててカオリさんがマイさんのかばんを手に取った。
「いつもの薬がここに入ってるはずやねんけど…。」
泣きそうな声でかばんの中を探るその間も野次馬は増える一方だ。
「王子さま、一先ず移動した方が…。」
女の子だし、あまり人目に晒されるのはよくないかなと思い、私は小声で問いかける。
「うん。…誰か！樹はいないか！」
頷いたゆづ王子が一番信頼のおける人物の名を叫ぶ。
するとこの騒ぎに気付いて近くまで来ていたのか、まっちーさんが比較的早く担架を持った用人を連れて来てくれた。
そして倒れているマイさんを一瞥し、まず人払いをするために、冷静かつ的確に指示をする。
「皆、下がりなさい。彼女を早く医務室へ。」
「うぅ…。」
苦痛に歪むマイさんの額から汗がにじんでいる。担架に乗せられる間、私はせめてと思い、ポケットからハンカチを出してぬぐう。
「あーもぅ！なんで薬が入ってないの？！」
カオリさんがかばんをひっくり返して中身を調べる側で、ゆづ王子が即座に次の指示を出した。
「樹、すぐにしーちゃんに連絡を。」
「静香さんにはすでに知らせてあります。」
「よし。じゃあカオリさんは一緒に付いていってマイさんの症状を説明して。」
「は、はい！」
動揺しているカオリさんを支えてなんとか立ち上がらせる。
そしてマイさんを乗せた担架が移動し始めると、ゆづ王子がまた走り出した。
「あの、どちらに！」
「医務室！」
先に行って事情を伝えようとしておられるのか。
あっという間の出来事に、私は全速力で走る夫の背中を見送ることしか出来なかった。
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鹿(プロフ) - みなみさん» 日本にいるだけで幸せです＾＾でもトロントへ帰った方がいい気もしますよね〜。もうすぐ誕生日ですが、こんなにも他人の誕生日を祝いたいと思ったのは初めてです(笑)きっと今頃ゲームとかしてるんでしょうね。羽生さんもおたく活動すればいい！ (2018年11月30日 17時) (
レス) id: 73ad5e2308 (このIDを非表示/違反報告)
みなみ - トロントでゆっくりリハビリとトレーニング、それから大学の勉強もしたらいいと思います。そろそろ卒業できるかしら？今回のお話、幸せいっぱいでほっこりしました。 (2018年11月29日 23時) (レス) id: 42f93678ff (このIDを非表示/違反報告)
鹿(プロフ) - るりさん» トロントのがゆっくりできそうですけどね＾＾なんか無理して全日本出そうな気もしますし、もういいじゃない。来季もプログラム持ち越したら！くらいの勢いでいいんですけどね〜。本人ももっとデレて！！ (2018年11月23日 23時) (レス) id: 73ad5e2308 (このIDを非表示/違反報告)
るり(プロフ) - 治療にどのくらいかかるか分かりませんが、しばし日本でゆっくり休んでもらいたいです！ワールド照準でいいなぁ。全日本はなんか怖いです(ﾟωﾟ) ゆづ王子と王女は春満開ですね！デレな王子もいいですね。 (2018年11月22日 22時) (レス) id: b065025f51 (このIDを非表示/違反報告)
鹿(プロフ) - 心菜さん» もしそうなら嬉しいです＾＾まだまだ表現がたらなくてうまく書けませんが、少しでも伝わったのなら嬉しいです。最近、ロシアと羽生さんの関係がだんだん見えてきました。もう少し、見せてほしいです＾＾ (2018年11月19日 16時) (レス) id: 73ad5e2308 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：鹿
| 作成日時：2018年11月2日 18時
