【言えよ】2 ☆ ページ37
「は？」
「え？」
するとお二人から怪訝な声が聞こえてきたので、ふと顔を上げてみると…。
「それ本気で言ってんの？」
「…え。」
私を凝視しているゆづ王子と目が合って少しのけ反る。
…今何かおかしなこと言っただろうか。
「A〜、Aがこんなにもゆづのために一生懸命してくれてるのに、なんの取り柄もないんじゃ佳菜はどうなるの？」
そして佳菜子さまからは、なぜかとても残念な表情で身震いされる。
さらにゆづ王子も、そのまま練習に行ってしまうかと思いきや、くるっとＵターンして戻ってきた。
「あのさ、そういうこと言うの本当にやめて。」
そしてちょっと怒ったように口を尖らせる。
「ですが…。」
「衣装だって手伝ってくれてるし、いつも身の回りの世話をしてくれる。それに毎晩俺のこと起きて待っててくれるじゃん。それがどんだけ嬉しいかわかってる？」
腰に手をあてて、少し威圧感がありつつも言われていることを冷静に考えてみると、一応誉められているようだ。
そ、そうなのかな。
自分が思ってる以上に、私は役に立ってるのかな…。
「……。」
「A？そこまで謙虚にならなくていいんだよ。もっと堂々と。ね？」
さらに佳菜子さまから軽くアドバイスされて、これが正室としての心の余裕だろうかと尊敬の気持ちが芽生える。
「ま、そんな所もAらしいっちゃそうなんだけど。」
「す、すみません…。」
なんとなく立ったままのゆづ王子を上目遣いで見るように謝ってしまった。
するとゆづ王子もまた私を見下ろして…。
「一度ちゃんと教えなきゃだめか…。」
目を細めて、何かを企んでいそうな鋭い視線を向けられる。
何だろう…怖い。
そしてそのまま、練習のためにリンクへ行ってしまったのだった。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 155人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
鹿(プロフ) - あおさん» 表記の問題ですね。おそらく日本語にしたらどっちでもよさそうですが、そこはあまりこだわってませんでした笑 (2019年1月8日 17時) (
レス) id: 73ad5e2308 (このIDを非表示/違反報告)
鹿(プロフ) - あおさん» うちはだいたいアップライトだから１時間くらいで書いてしまいましたがグランドはその分時間がかかるんですかねー。＾＾きっとそうなんでしょうね〜。こだわりはあったほうがいいですね！ (2019年1月8日 17時) (レス) id: 73ad5e2308 (このIDを非表示/違反報告)
あお - て、33ページとかの、チゴイネルワイゼンじゃなくて、ツィゴイネルワイゼンでは？？ (2019年1月8日 9時) (レス) id: 9b31bd131c (このIDを非表示/違反報告)
あお - 家にあるグランドピアノ四時間もかけて調律していただいているのですが(笑)こだわりが強すぎ？(笑)（5ページ目をみての感想(笑)） (2019年1月8日 8時) (レス) id: 9b31bd131c (このIDを非表示/違反報告)
鹿(プロフ) - 心菜さん» ラブラブ期間中です＾＾なんかファンタジーっていくらでも話が続きます。ちょっとありえないこと書けるし。楽しいな〜って思います。明日はもうスケートが楽しみすぎて、音楽祭どころではない！！ (2018年11月2日 13時) (レス) id: 73ad5e2308 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：鹿
| 作成日時：2018年9月24日 10時
