【かき氷】8 ☆ ページ21
「全部本当の王子さまですもんね。」
「こんな振り幅の大きい人、他にいないですよね!」
なんだか店員さんと意気投合してしまった所で、私はさっきゆづ王子が手に持っていた器を指差して彼女に伝える。
「あの、この玉虫色の器三つください。」
「あ、はい!ありがとうございます!すぐにご用意いたしますね。」
さっと仕事モードに切り替えた店員さんが、棚から器を取って店の奥へ。
その姿が完全に見えなくなってから、ゆづ王子がやっと私の方を向いてくれる。
「三つって誰の?」
「ゆづ、くんと私と、佳菜子さまです。」
「だと思った。」
たどたどしくも答えた私の頭を、ゆづ王子がさわっと撫でてくれた。
「でもみぞれって…。」
じわじわと笑いが込み上げてきて思わず口元を押さえていると、ゆづ王子が私の顔をのぞき込むように一言。
「俺そんな焼き付くしてる?」
「それは…分からないけど、阿修羅はドキドキします。」
試合でスイッチが入った時に見せる一瞬の表情でさえ、みんな惹かれるのだ。
「意識してないんだけどね。…あっ!」
「どうしたんですか?」
ゆづ王子が突然驚いた声を出したので、何事かと側へ寄る。
するとぱっと商品を手に取って私の目の前に差し出した。
「一希の犬!」
「まぁ!」
向かい合わせになって、犬の顔が見えるように。
そう、これは私が一希くんへ送ったティッシュカバーとほぼ同じ物だ。
「商品化の件、Aオッケーしたんだっけ。」
「は、はい…。別にいいかなって思って…。」
でもまさかこんな普通に売ってるなんて思ってもみなかった。
「しかも最後の一個だよ?」
「……。」
これは嬉しいような、ちょっと複雑な気持ちだ。
「人気なんだね。いいな〜、俺も欲しいわ。Aの手作り。」
ゆづ王子がティッシュカバーをくるっと回して元の位置へ戻した。
「ゆづくんは、ファンの方から頂いた黄色いくまさんのがあるのでは?」
2つもいるのかな?と思っていると…。
「ん?まぁそうだけど、スケートしてる時もAを想っていたいじゃん。」
「え…。」
小さく息をはいて、ゆづ王子がご自分に言い聞かせるように頷くと、さっきの店員さんが商品を持ってきてくれたので結局そこでティッシュカバーの話は途切れる。
そっか…。
そんな風に思ってくれているのなら、来季用に予備としてプレゼントしようかな…。
なんだかゆづ王子のストレートな願望に、頬が熱くなった。
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鹿(プロフ) - みなみさん» 私もリアルタイムでライスト見てました!もう、衣装が美!^^水色とは思ってませんでしたけど。これから撮りためたニュースを見てお話更新できれば…。4T3A入ったら、また祭りですよね〜笑 (2018年9月24日 10時) (レス) id: 73ad5e2308 (このIDを非表示/違反報告)
みなみ - FSも早朝のライスト観戦でした。そのあとも用事がいろいろあり、合間で1時間ほど昼寝してなんとか乗り切りました。FS、これからの進化が楽しみですね!全部思うように出来たら、どんなすごいプロになるやら。4Aだったり、4T+3Aが入る予定なんですよね。 (2018年9月24日 0時) (レス) id: e2f297e7a8 (このIDを非表示/違反報告)
みなみ - ACライスト観戦ですが、今年は時間が早いのね。眠気&頭痛との戦いです。キスクラのカメラが調子悪いのか、ジェイソンがちょっと見られただけで、他の選手は(ゆづも)なくて残念でした。衣装ですが、氷の王子っぽいじゃないですか!綺麗ですね(^^) (2018年9月22日 21時) (レス) id: e2f297e7a8 (このIDを非表示/違反報告)
鹿(プロフ) - みなみさん» 奥から?!も〜置いといてってなりますよね^^;声をかけられなかったチキンは私ですけども。テレビもレコーダーも新しいのはいいですよね〜。私もおっきいテレビが欲しいです。もちろん羽生さん見るための!!笑 (2018年9月20日 18時) (レス) id: 73ad5e2308 (このIDを非表示/違反報告)
みなみ - すぐに記入して、お支払いしてきました。あとは届くのを待つばかりです。日にち指定はできなくて、配達の時間指定のみできました。そのあして、レコーダーも買いに行きました!日曜日の夕方には配達してくれる、とのことで、ACの映像もちょっとは間に合いそう! (2018年9月20日 1時) (レス) id: e2f297e7a8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:鹿 | 作成日時:2018年7月10日 17時