検索窓
今日:6 hit、昨日:0 hit、合計:78,515 hit

【申し送り】2 ★ ページ10

「待って。」

「ゆ、ゆづさん…?」

付いてくると思ってなかったのか、先に入浴の準備をしていたAがびくっとなった。

「俺も入るわ。」

そしてほぼ服を着ていないAの肩に手をやると、また顔を真っ赤にされる。

「で、では…。後から入ってきてください…。」

「うん。」

前に一度一緒に入ったし、もうそんなに抵抗ないよね。
俺は勢い良く黒いシャツを脱いだ。





お風呂へ入っている間に、子女にベッドのメイクもきちんとしてもらって。
もうそろそろ仕事へ行かなきゃなと思いつつもまったりとお茶している俺に、Aが話しかけてきた。

「あ、そういえば高志郎がそろそろ国へ帰ると言っていましたよ。」

衣装部屋できちんと身なりを整えてきたAが、少し濡れた髪を一つにまとめて俺の隣に座る。

「そうなの?長いようで短い滞在だったね。」

高志郎もついに帰国か。
あいつとは色んなことを張り合ってしまったけど、帰ると聞くとちょっと寂しいものだ。

「なんだかゆづ王子のスケートを見てから、お城のリンクに何度か通っていたみたいです。」

「へぇ!」

意外な事実に、カップを持ったままAを凝視してしまう。
それでしばらくおとなしかったのかな。

「太陽の国にスケートリンクを作りたい!なんて言ってるみたいですよ。」

「おぉ…。」

Aの口から語られる内容に驚くばかりで、開いた口がふさがらない。

「きっと今頃スケートが上手なゆづ王子のことを尊敬しているのでは?」

これは私の想像ですけど。とAが笑顔で言う。
う〜ん…。だとしたら嬉しいかも。
おまけにあの高志郎が太陽の国にリンクを作りたいだなんて…。

「……。」

俺は指をあごにあてて、感心しつつしばし考える。
もしそれが本当なら、なんだかあの生意気なAのいとこが、急にかわいく思えてくるじゃないか。

「ちょっと口は悪いですけど、根は素直な良い子なんです。」

「うん…。」

今ならそれもなんとなく分かる。
あいつも聞く耳はあったんだな。

【申し送り】3 ★→←【申し送り】1 ★



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (91 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
171人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

鹿(プロフ) - 心菜さん» 羽生さん大変^^;でも、若いから大丈夫っぽい!金沢の楽はいろいろ変なことがあったけど、本人でもないのに、なんでそんなに想像するのかな〜という感じ。ま、こんなん書いてる時点で私が一番アウトですけども! (2018年6月5日 17時) (レス) id: 73ad5e2308 (このIDを非表示/違反報告)
心菜(プロフ) - 神戸、静岡はアーティストが代わるので別プロですね。7/1がFaOIオーラスで翌日授賞式。忙しい〜(><)クワド跳んでくれるのは嬉しいけど、ステイヘルシーで! (2018年6月3日 15時) (レス) id: 15da2c977a (このIDを非表示/違反報告)
鹿(プロフ) - みなみさん» ショーに授賞式に忙しいですね。練習大乗かなー。リハビリになっていいかも?このお話も長く続きすぎて、飽きられてるかなーとおもう今日この頃。次のお話も決まってないし、もう少しお付き合いください〜^^; (2018年6月3日 7時) (レス) id: 73ad5e2308 (このIDを非表示/違反報告)
鹿(プロフ) - 碧海さん» 羽生さんの幸せだけをただ願っています^^お話に触れてくれてありがとうございます〜。次移行なので、もう少しお待ちください〜〜 (2018年6月3日 7時) (レス) id: 73ad5e2308 (このIDを非表示/違反報告)
鹿(プロフ) - 心菜さん» そんな近くで羽生さんを!すごい…。神戸公演では、また違うプログラムなのかなーと勝手に思っているのですが、昨日はついに4回転でましたね!^^ (2018年6月3日 7時) (レス) id: 73ad5e2308 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:鹿 | 作成日時:2018年4月5日 18時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。