【祝勝会】7 ★ ページ7
「あ、そういえば僕、試合が終わってから変な人に声かけられたんですよね。」
突然、口にラーメンを頬張ったままの一希が思い出したように言う。
「変な人?え、スケート関係?」
「なんか、Aさまにもらったティッシュカバーをしきりに見せてくれって…。」
Aのラーメンもどきにすっかり気を取られていた俺は、Aと顔を見合わせる。
てかティッシュカバーを?
「で?お前どうしたの。」
「見るくらいなら構いませんよって渡したら、サイズとか測り出して。」
「サイズ?」
「最終的に詳しく絵を写して帰りました。」
「なんだそりゃ。」
確かに変なやつだ。
「新聞にも取り上げられてたし、なんか好評なんですかね。」
「……。」
どういう理由でそんなことされたのかは謎だけど、Aのティッシュカバーが想像以上に世間に知れ渡っているってことなのだろうか。
「あの…ゆづ王子。さしでがましいようですがラーメン召し上がらないのですか?」
「あ。」
しまった、色んなことに気を取られてAに指摘されるまで忘れてた。
俺はちょっとのびた豚骨ラーメンを頂くはめになってしまった。
「じゃあ一希、これからも精一杯頑張って。」
一時間後、ラーメンを美味しくいただいてから店の前で別れの挨拶をする。
今回で俺のコーチも終了し、これからまた新しいコーチを探してもらうわけだけど、さっきも言ったように、試合で優勝したことだしきっとすぐに見つかるだろう。
「はい。コーチもAさまも、本当にお世話になりました。」
ありがとうございました!と元気な声で言われて俺もなんだか感無量だ。
「一希くん。たまには顔を見せに来てね。」
「お城のリンクにはこれからも通わせてもらうつもりなので、その際はぜひ!」
後ろに馬車を待たせたまま、Aも一希に声をかけた所でいよいよタイムリミット。
お城へ戻る時間になってしまった。
「王子さま。またぜひお越し下さい。」
店主のハンヤンも見送ってくれる中、まずAから馬車に乗せる。
「本っ当に美味しかった。あ、今日のお代はお城の執務室に回しておいて?」
公費でなく、俺のポケットマネーから支払うつもりだったので、ハンヤンにはくれぐれも間違えないように一言いっておく。
俺は普段あまり現金は持ち歩かない主義なのだ。
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鹿(プロフ) - 心菜さん» 羽生さん大変^^;でも、若いから大丈夫っぽい!金沢の楽はいろいろ変なことがあったけど、本人でもないのに、なんでそんなに想像するのかな〜という感じ。ま、こんなん書いてる時点で私が一番アウトですけども! (2018年6月5日 17時) (レス) id: 73ad5e2308 (このIDを非表示/違反報告)
心菜(プロフ) - 神戸、静岡はアーティストが代わるので別プロですね。7/1がFaOIオーラスで翌日授賞式。忙しい〜(><)クワド跳んでくれるのは嬉しいけど、ステイヘルシーで! (2018年6月3日 15時) (レス) id: 15da2c977a (このIDを非表示/違反報告)
鹿(プロフ) - みなみさん» ショーに授賞式に忙しいですね。練習大乗かなー。リハビリになっていいかも?このお話も長く続きすぎて、飽きられてるかなーとおもう今日この頃。次のお話も決まってないし、もう少しお付き合いください〜^^; (2018年6月3日 7時) (レス) id: 73ad5e2308 (このIDを非表示/違反報告)
鹿(プロフ) - 碧海さん» 羽生さんの幸せだけをただ願っています^^お話に触れてくれてありがとうございます〜。次移行なので、もう少しお待ちください〜〜 (2018年6月3日 7時) (レス) id: 73ad5e2308 (このIDを非表示/違反報告)
鹿(プロフ) - 心菜さん» そんな近くで羽生さんを!すごい…。神戸公演では、また違うプログラムなのかなーと勝手に思っているのですが、昨日はついに4回転でましたね!^^ (2018年6月3日 7時) (レス) id: 73ad5e2308 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:鹿 | 作成日時:2018年4月5日 18時