【珍しい来客】4 ☆ ページ47
☆主人公サイド
「ちょ、ちょっと待て。何言ってんの。」
ゆづ王子が私の肩をさらに強く掴んで揺する。
そして私の反らした顔を、くいっと元に戻して、再び見つめ合う形にした。
「……。」
なんて説明しようか迷っている間にも、怒っておられるのか、ゆづ王子の眉が段々つり上がっていくのがわかる。
でもここで怯むわけにはいかないので、私は勇気を出して言わせていただくことにした。
「で、ですから、佳菜子さまとの世継ぎを、国民は皆望んでいるのですから、努力すべきなのではと…。」
「世継ぎはAとって決めてたでしょ。何を今さらそんなこと…。」
少し呆れて苦虫を噛み潰したように顔を歪めるゆづ王子に、どう説明しようか迷いながらも、私はおそれ多くも自分の見解を述べる。
「私が佳菜子さまを説得いたしますから、ゆづ王子も歩み寄って…。」
「ふざけんなよ!」
言い終わらないうちに大きな声で怒鳴られてしまった。
こんなゆづ王子初めてで正直怖い。
それに、はぁはぁとちょっと荒い呼吸をして興奮しているのを少しでもなだめたいのに、情けないことに中々良いセリフが出てこない。
「ですが…。」
「あのさ、俺ずっと言ってんじゃん。佳菜とはそういうんじゃないんだよ。何て言えばいいのかわかんねぇけど、友達以上にはなれない。」
ため息をつかれつつ、真っ直ぐ目を見つめられて宣言される。
でもそれは二人の都合であって、王族の視点から見てみるとまかり通ることではない。
「それは…王子さま達のわがままです。」
「……。」
一瞬、ゆづ王子の目が大きく開かれる。その目に映っている自分を見ていると、不思議と変な勇気がわいてくる。
「国民は純粋な氷の国の皇子を望んでいるのです。ここは子供じみた感情は捨てて、佳菜子さまとお世継ぎをつくるべきです…。」
一気にしゃべった達成感からか、私が一呼吸おいてうつ向くと、すぐに頭の上から凛とした張りのある声が降ってきた。
「誰が言った。」
「……。」
「言えよ。どうせ誰かに変な情報を吹き込まれたんだろ。誰?」
それはまるで全てを見透かされているような内容で、私は思わず顔をあげる。
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鹿(プロフ) - 心菜さん» 羽生さん大変^^;でも、若いから大丈夫っぽい!金沢の楽はいろいろ変なことがあったけど、本人でもないのに、なんでそんなに想像するのかな〜という感じ。ま、こんなん書いてる時点で私が一番アウトですけども! (2018年6月5日 17時) (レス) id: 73ad5e2308 (このIDを非表示/違反報告)
心菜(プロフ) - 神戸、静岡はアーティストが代わるので別プロですね。7/1がFaOIオーラスで翌日授賞式。忙しい〜(><)クワド跳んでくれるのは嬉しいけど、ステイヘルシーで! (2018年6月3日 15時) (レス) id: 15da2c977a (このIDを非表示/違反報告)
鹿(プロフ) - みなみさん» ショーに授賞式に忙しいですね。練習大乗かなー。リハビリになっていいかも?このお話も長く続きすぎて、飽きられてるかなーとおもう今日この頃。次のお話も決まってないし、もう少しお付き合いください〜^^; (2018年6月3日 7時) (レス) id: 73ad5e2308 (このIDを非表示/違反報告)
鹿(プロフ) - 碧海さん» 羽生さんの幸せだけをただ願っています^^お話に触れてくれてありがとうございます〜。次移行なので、もう少しお待ちください〜〜 (2018年6月3日 7時) (レス) id: 73ad5e2308 (このIDを非表示/違反報告)
鹿(プロフ) - 心菜さん» そんな近くで羽生さんを!すごい…。神戸公演では、また違うプログラムなのかなーと勝手に思っているのですが、昨日はついに4回転でましたね!^^ (2018年6月3日 7時) (レス) id: 73ad5e2308 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:鹿 | 作成日時:2018年4月5日 18時