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【不安】1 ☆ ページ38

☆主人公サイド

佳菜子さまのスケートを見て色々お話をした後、ゆづ王子が不在な事もあり、そのままの流れで、お部屋で一緒に夕食をいただくという光栄に恵まれた。

やっぱり佳菜子さまのお話は楽しくて、食事中終始笑いっぱなしだった私。

「太陽の国だったら、怒られるどころじゃないわ…。」

王女としての品格をと、いつも厳しく言われていたので、結婚したらこんなにも楽しい生活が送れることなど想像もしていなかった。
人生とは本当に分からないものだ。

そして今、食事を終えて、佳菜子さまから教えていただいたいつもと違う廊下を歩きながら自室へと戻る帰り道。

「えっと、佳菜子さまのお部屋からだったら、確かここを曲がったら知ってる通路に出るはず。」

何にせよお城は広い。
まだまだ通ったことのない道だらけなのだ。

迷わないように、たくさんの扉の前を通り過ぎながら記憶と感覚を頼りに進んでいくと、少し先にあるリネン室の扉の隙間から明かりがもれていた。

時間はまだ八時過ぎ。
ふと立ち止まると、これからまだ仕事があるのか、数人の女性の雑談が自然と耳に届いてきた。

「だからさ、私的には佳菜子さまに世継ぎを生んでもらいたいのよ。」

え…。
その内容にドキリとして足が止まる。

「あんた、よくここでそんな事が言えるね。そんなの、どっちが生んだっていいだろう?」

シーツを広げる音に混じって少しほっとする声も聞こえてきて、若干胸を撫で下したのも束の間、さらに緊張する一言が発せられた。

「考えてもみてよ。代々氷の国では他国から奥さんを貰うなんてことなかったんだよ?先代もその前の王さまだって国内の侯爵家から正室を娶って、ちゃんと世継ぎにも恵まれてるんだ。それを今さら太陽の国の血で汚されたくないと思わない?」

汚される?
私と故郷を卑下されるセリフに全身の血が逆流するような感覚に襲われる。
これは…明らかに侮辱罪なのでは?

「ちょっと、やめなさいよ。そんなこと偉い人にでも聞かれたら…。」

「そうだよ、その考え方は古いんじゃない?」

そんな内容を否定する人もいる中で、どうすれば良いのか分からずに、私はその場から動くことが出来ない。

【不安】2 ☆→←【未来のこと】5 ★



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鹿(プロフ) - 心菜さん» 羽生さん大変^^;でも、若いから大丈夫っぽい!金沢の楽はいろいろ変なことがあったけど、本人でもないのに、なんでそんなに想像するのかな〜という感じ。ま、こんなん書いてる時点で私が一番アウトですけども! (2018年6月5日 17時) (レス) id: 73ad5e2308 (このIDを非表示/違反報告)
心菜(プロフ) - 神戸、静岡はアーティストが代わるので別プロですね。7/1がFaOIオーラスで翌日授賞式。忙しい〜(><)クワド跳んでくれるのは嬉しいけど、ステイヘルシーで! (2018年6月3日 15時) (レス) id: 15da2c977a (このIDを非表示/違反報告)
鹿(プロフ) - みなみさん» ショーに授賞式に忙しいですね。練習大乗かなー。リハビリになっていいかも?このお話も長く続きすぎて、飽きられてるかなーとおもう今日この頃。次のお話も決まってないし、もう少しお付き合いください〜^^; (2018年6月3日 7時) (レス) id: 73ad5e2308 (このIDを非表示/違反報告)
鹿(プロフ) - 碧海さん» 羽生さんの幸せだけをただ願っています^^お話に触れてくれてありがとうございます〜。次移行なので、もう少しお待ちください〜〜 (2018年6月3日 7時) (レス) id: 73ad5e2308 (このIDを非表示/違反報告)
鹿(プロフ) - 心菜さん» そんな近くで羽生さんを!すごい…。神戸公演では、また違うプログラムなのかなーと勝手に思っているのですが、昨日はついに4回転でましたね!^^ (2018年6月3日 7時) (レス) id: 73ad5e2308 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:鹿 | 作成日時:2018年4月5日 18時

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