【カブトムシ】3 ☆ ページ17
「昌磨さま、少し高志郎をお借りしますね。」
「うん。僕もちょっと休憩しよ。」
知子ちゃん。と呼ぶ昌磨さまを横目に、私は高志郎をベンチに座らせた。
「ねぇ、高志郎。」
「ん?」
「ちょっと確認なんだけど。」
「うん。なに?」
私は背筋を伸ばして、以前高志郎から聞いていたことを問いただしてみる。
「太陽の国にスケートリンクを作りたいっていう話、本気なの?」
「あぁ、本気だよ。」
きっぱりと即答されて驚きつつも、高志郎の考えをさらに深く尋ねる。
「氷がないけどどうやって?」
そして一番大事な部分を問うと、高志郎から物凄く身勝手な返事がかえってきた。
「そんなの、姉ちゃんがなんとかしてくれるよね。」
……。
あきれた。側室だからって王子さまと同じ権限なんてないのに。
私はゆづ王子の優しさを説くために、高志郎の肩に手を置いて真っ直ぐ目を見つめた。
「あのね、ゆづ王子にそのことを少しお話ししたんだけど…。高志郎が本当に本気で太陽の国にリンクを作る気があるのなら、氷のことを全面的に協力してもいいっておっしゃってるの。」
「そうなの?!じゃあ話は早いじゃん!」
「だから高志郎が国へ帰ってきちんと政策として議会に通すのなら、氷の国としても助ける準備をしてくれるって。」
順序よく段取りしていってこそ、国を動かすことができるのだ。
「やるよ!やるやる!」
突然、目輝かせてわんこのようになった。
調子いいなぁ〜と半ばあきれていると、側で聞いていたのか昌磨さまが話に入ってこられた。
「太陽の国にリンク作るの?いいな、出来たら僕も滑ってみたい。」
「是非是非!」
さも簡単そうに言う高志郎に、内心大丈夫かなと心配になる。
「そんなに楽じゃないよ?高志郎、相当頑張らないとだめだからね。」
「大丈夫だよ!俺行動力だけはあるから。」
なんだかすっかりスケートにはまってるなぁ。
ここへ来た頃はつんつんしてたのに。
とにかく、このまま数日もすれば帰国する流れになりそうなので、それまでにちゃんとゆづ王子にお礼を言わせなきゃ、と強く思っていた。
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鹿(プロフ) - 心菜さん» 羽生さん大変^^;でも、若いから大丈夫っぽい!金沢の楽はいろいろ変なことがあったけど、本人でもないのに、なんでそんなに想像するのかな〜という感じ。ま、こんなん書いてる時点で私が一番アウトですけども! (2018年6月5日 17時) (レス) id: 73ad5e2308 (このIDを非表示/違反報告)
心菜(プロフ) - 神戸、静岡はアーティストが代わるので別プロですね。7/1がFaOIオーラスで翌日授賞式。忙しい〜(><)クワド跳んでくれるのは嬉しいけど、ステイヘルシーで! (2018年6月3日 15時) (レス) id: 15da2c977a (このIDを非表示/違反報告)
鹿(プロフ) - みなみさん» ショーに授賞式に忙しいですね。練習大乗かなー。リハビリになっていいかも?このお話も長く続きすぎて、飽きられてるかなーとおもう今日この頃。次のお話も決まってないし、もう少しお付き合いください〜^^; (2018年6月3日 7時) (レス) id: 73ad5e2308 (このIDを非表示/違反報告)
鹿(プロフ) - 碧海さん» 羽生さんの幸せだけをただ願っています^^お話に触れてくれてありがとうございます〜。次移行なので、もう少しお待ちください〜〜 (2018年6月3日 7時) (レス) id: 73ad5e2308 (このIDを非表示/違反報告)
鹿(プロフ) - 心菜さん» そんな近くで羽生さんを!すごい…。神戸公演では、また違うプログラムなのかなーと勝手に思っているのですが、昨日はついに4回転でましたね!^^ (2018年6月3日 7時) (レス) id: 73ad5e2308 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:鹿 | 作成日時:2018年4月5日 18時