検索窓
今日:1 hit、昨日:14 hit、合計:78,524 hit

【カブトムシ】3 ☆ ページ17

「昌磨さま、少し高志郎をお借りしますね。」

「うん。僕もちょっと休憩しよ。」

知子ちゃん。と呼ぶ昌磨さまを横目に、私は高志郎をベンチに座らせた。

「ねぇ、高志郎。」

「ん?」

「ちょっと確認なんだけど。」

「うん。なに?」

私は背筋を伸ばして、以前高志郎から聞いていたことを問いただしてみる。

「太陽の国にスケートリンクを作りたいっていう話、本気なの?」

「あぁ、本気だよ。」

きっぱりと即答されて驚きつつも、高志郎の考えをさらに深く尋ねる。

「氷がないけどどうやって?」

そして一番大事な部分を問うと、高志郎から物凄く身勝手な返事がかえってきた。

「そんなの、姉ちゃんがなんとかしてくれるよね。」

……。
あきれた。側室だからって王子さまと同じ権限なんてないのに。
私はゆづ王子の優しさを説くために、高志郎の肩に手を置いて真っ直ぐ目を見つめた。

「あのね、ゆづ王子にそのことを少しお話ししたんだけど…。高志郎が本当に本気で太陽の国にリンクを作る気があるのなら、氷のことを全面的に協力してもいいっておっしゃってるの。」

「そうなの?!じゃあ話は早いじゃん!」

「だから高志郎が国へ帰ってきちんと政策として議会に通すのなら、氷の国としても助ける準備をしてくれるって。」

順序よく段取りしていってこそ、国を動かすことができるのだ。

「やるよ!やるやる!」

突然、目輝かせてわんこのようになった。
調子いいなぁ〜と半ばあきれていると、側で聞いていたのか昌磨さまが話に入ってこられた。

「太陽の国にリンク作るの?いいな、出来たら僕も滑ってみたい。」

「是非是非!」

さも簡単そうに言う高志郎に、内心大丈夫かなと心配になる。

「そんなに楽じゃないよ?高志郎、相当頑張らないとだめだからね。」

「大丈夫だよ!俺行動力だけはあるから。」

なんだかすっかりスケートにはまってるなぁ。
ここへ来た頃はつんつんしてたのに。

とにかく、このまま数日もすれば帰国する流れになりそうなので、それまでにちゃんとゆづ王子にお礼を言わせなきゃ、と強く思っていた。





.

【カブトムシ】4 ★→←【カブトムシ】2 ☆



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (91 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
171人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

鹿(プロフ) - 心菜さん» 羽生さん大変^^;でも、若いから大丈夫っぽい!金沢の楽はいろいろ変なことがあったけど、本人でもないのに、なんでそんなに想像するのかな〜という感じ。ま、こんなん書いてる時点で私が一番アウトですけども! (2018年6月5日 17時) (レス) id: 73ad5e2308 (このIDを非表示/違反報告)
心菜(プロフ) - 神戸、静岡はアーティストが代わるので別プロですね。7/1がFaOIオーラスで翌日授賞式。忙しい〜(><)クワド跳んでくれるのは嬉しいけど、ステイヘルシーで! (2018年6月3日 15時) (レス) id: 15da2c977a (このIDを非表示/違反報告)
鹿(プロフ) - みなみさん» ショーに授賞式に忙しいですね。練習大乗かなー。リハビリになっていいかも?このお話も長く続きすぎて、飽きられてるかなーとおもう今日この頃。次のお話も決まってないし、もう少しお付き合いください〜^^; (2018年6月3日 7時) (レス) id: 73ad5e2308 (このIDを非表示/違反報告)
鹿(プロフ) - 碧海さん» 羽生さんの幸せだけをただ願っています^^お話に触れてくれてありがとうございます〜。次移行なので、もう少しお待ちください〜〜 (2018年6月3日 7時) (レス) id: 73ad5e2308 (このIDを非表示/違反報告)
鹿(プロフ) - 心菜さん» そんな近くで羽生さんを!すごい…。神戸公演では、また違うプログラムなのかなーと勝手に思っているのですが、昨日はついに4回転でましたね!^^ (2018年6月3日 7時) (レス) id: 73ad5e2308 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:鹿 | 作成日時:2018年4月5日 18時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。