【画廊にて】2 ☆ ページ26
「こちらのお嬢さんですね。」
「うん、お願いします。」
そんな私を無視して老人が近付いてきた。
そして、構図などを図っているのがろうか。ふむふむとうなずきながら私の周りを歩く。
「あ、あの…。」
私は、勝手に決めないでと言いたいし、そもそもこの国の側室だとも言いたいのに、情けなくも雰囲気に飲まれて言葉が出ない。
「サイズはどうされますか。」
「勿論でーっかいの!」
「こ、高志郎!」
手を大きく広げている高志郎をなんとかここで静止する。
いくならんでもそんなものを勝手に飾られたらたまらない。
「何?」
「肖像画がなんてやめてよ。」
そもそもこんな勝手なことしていいのだろうか。
王子さまに怒られるのでは?
「なんでだよ。いいじゃん、俺太陽の国にいたときA姉ちゃんの肖像画を描いてもらわなかったこと、すっごい後悔してたんだから。」
顔も思い出せないよ!と文句を言い出した。
「だからって肖像画なんて…。」
恥ずかしすぎる。
「だめだめ、もう決めたから。おじいさんお願いします。」
「え、えぇ〜…?!」
結局店主と高志郎の間で話がまとまってしまって一人おいてけぼりにされた私は、肩に手を置かれて、強引に椅子まで連れていかれて座らされる。
「何分ぐらいかかります?」
「そうだねぇ…。ラフだけなら30分かな。」
彩色までは四日間。と言われてそんなに通えないのに、と思う。
「今日中にできない?」
「ラフをしっかりしておけば四日後に取りに来るだけで構わないよ。」
そうなんだ…よかった、そんなに頻繁に外出許可なんてもらえないよ。
…はっ!というかそもそも描いていいなんて言ってないし!
「高志郎!」
「じゃあ始めてください。」
ぱっと私の側から離れて店主の元へ行ってしまったいとこ…。
拒否権なしだ…これ。
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鹿(プロフ) - マナさん» 他の小説を読んでいたら、書けそうな気がして書き始めました!初期の作品は恥ずかしいです^^;自分でも読み返しますが、やっぱり疲れますよね〜長くて (2018年3月23日 16時) (レス) id: 73ad5e2308 (このIDを非表示/違反報告)
マナ - ありがとうございます!やっぱり、並ぶんですね〜何時間ぐらいかなぁでも見に行きたい!そういえば『すべてはここから』を読み始めました!彼氏が結弦くんじゃなかったら出版社に持ち込んでるかも(笑)書きはじめたのが2年前と知り、びっくりしました! (2018年3月22日 18時) (レス) id: 595eca3f4d (このIDを非表示/違反報告)
鹿(プロフ) - マナさん» CWWは今度のお披露目ショー、コンティニューウィズウィングスの略ですね^^長いから。メダルも衣装も見てみたいですし、でも長蛇の列を覚悟しなければだし、悩みます〜!私、小説なんて2年前まで書いたことなかったっす。 (2018年3月22日 16時) (レス) id: 73ad5e2308 (このIDを非表示/違反報告)
マナ - 羽生結弦展楽しみ^^私は東京のに行きます…こういうの、行ったことないんですよ〜混むかなぁ、、、マナ的にはぷーさんのティッシュカバーを展示してほしい(笑)あと、CWWって何? (2018年3月21日 13時) (レス) id: 595eca3f4d (このIDを非表示/違反報告)
マナ - あああああー楽しみにして読んでいた嘘と真実も残るは「夏の風物詩」だけ…悲しくなってくる(泣)鹿さんの文才が素晴らしすぎる!!そして一花と翔がかわいすぎる!氷の国も楽しみにしてますぜ! (2018年3月19日 23時) (レス) id: 595eca3f4d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:鹿 | 作成日時:2018年2月13日 14時