【シニア】3 ★ ページ21
「一希のショートやろっかな。」
「まじですか？！」
軽い口調で言う俺を、一希が少しキラキラした眼差しで見つめるのは、ちょっと期待してるからか。
ま、それしかないから仕方ないんだけど。
ずっと一緒に滑ってきたし振り付けは全部頭に入ってるし。
フリー…と言いたい所だけど、練習終わりに４分半はちょっとな。
「ゆづ王子が一希くんのプログラムを…。」
胸の前で手を合わせているAは、完全に喜んでいるように見える。
「うん。ちょっと難易度変えて滑るから。」
一希に曲かけを頼んで、外周を回りつつ再び身体を温める。
上着をフェンス近くにいるAに預けたら、リンク中央へ。
さっきまでの練習で、充分動ける状態にはなっている。
俺は静止して音楽が流れるのを待った。
ダイナミックなオーケストラが流れ始めると、身体を大きく使いつつ細かいターンを幾つも入れる。
そしてすぐに最初のクワド。一希はサルコウを跳ぶのだけど、ここはループに…。
…！！
イーグルではさんで綺麗な体勢で降りると、少ないけど元気な拍手が聞こえた。
これはきっと一希とAだな、と幾分冷静な自分を感じつつさらに演技を続ける。
この後はすぐにトリプルトリプルのコンビネーションだ。
ジュニアだったらそれで通用するけど、俺はシニアだしチャンピオンだから、ここはもちろん四回転のコンビネーションを入れる。
起動を斜めに取りながら、思い切り右足を振り上げた。
「クワドサルコウだ！」
一希の声が響く中、着氷して手を上げたままトゥジャンプを付けた後、すぐにスピンの体勢に入る。
余裕で足替えしつつシットサイドで８回以上回ったらステップシークエンスへ。
曲調の変化と共に最初柔らかく、徐々にダイナミックに表現する。
ここ、散々一希に言ってきたとこだから良く見てろ？と思いながら、振り上げる腕も下ろす手のひらも、一瞬たりとも気を抜かない。
曲をまとうように。早いパッセージに遅れをとらないよう、スケートを滑らせていく。
休む暇がないから正直きついけど、ぶっ倒れる寸前の力配分を考えつつ、ここでいきなりアクセルジャンプを跳んだ。
カーンと大きな着氷音が鳴れば、後は残る力を全部出してフィニッシュのコンビネーションスピンまで持っていくだけだ。
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鹿(プロフ) - マナさん» 他の小説を読んでいたら、書けそうな気がして書き始めました！初期の作品は恥ずかしいです＾＾；自分でも読み返しますが、やっぱり疲れますよね〜長くて (2018年3月23日 16時) (
レス) id: 73ad5e2308 (このIDを非表示/違反報告)
マナ - ありがとうございます！やっぱり、並ぶんですね〜何時間ぐらいかなぁでも見に行きたい！そういえば『すべてはここから』を読み始めました！彼氏が結弦くんじゃなかったら出版社に持ち込んでるかも(笑)書きはじめたのが2年前と知り、びっくりしました！ (2018年3月22日 18時) (レス) id: 595eca3f4d (このIDを非表示/違反報告)
鹿(プロフ) - マナさん» CWWは今度のお披露目ショー、コンティニューウィズウィングスの略ですね＾＾長いから。メダルも衣装も見てみたいですし、でも長蛇の列を覚悟しなければだし、悩みます〜！私、小説なんて2年前まで書いたことなかったっす。 (2018年3月22日 16時) (レス) id: 73ad5e2308 (このIDを非表示/違反報告)
マナ - 羽生結弦展楽しみ^^私は東京のに行きます…こういうの、行ったことないんですよ〜混むかなぁ、、、マナ的にはぷーさんのティッシュカバーを展示してほしい(笑)あと、CWWって何？ (2018年3月21日 13時) (レス) id: 595eca3f4d (このIDを非表示/違反報告)
マナ - あああああー楽しみにして読んでいた嘘と真実も残るは「夏の風物詩」だけ…悲しくなってくる(泣)鹿さんの文才が素晴らしすぎる！！そして一花と翔がかわいすぎる！氷の国も楽しみにしてますぜ！ (2018年3月19日 23時) (レス) id: 595eca3f4d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：鹿
| 作成日時：2018年2月13日 14時
