【書簡と使者】2 ☆ ページ44
そうだよ。さすがにあんまり堂々と言えることじゃないし、ゆづ王子が佳菜子さまのことを友人としてお好きなのは、いつものやり取りを見ていてわかる。
これはおそらく、精一杯の言い訳だ、うん。
「私のことは…何かおっしゃってないかな。」
国民的に側室はあまり歓迎されてないかもしれないけど、ほんの少しだけでもどんな印象を受けているのか知りたかった。
『ご結婚後、初めて語った側室さまへの愛とは…。』
「ほわぁ!」
愛だなんて!
気になる…すっごく気になるけど、どうしよ。恥ずかしい。
それでも意を決して読み進めると…。
『嬉しい結婚。とにかく僕自身も城の皆も側室を受け入れていますし、距離もどんどん近づいている。彼女はとても聡明で可愛い人。』
「……。」
クリティカルヒットだ…。勿論これは良い意味の方。
こんなこと言ってもらえる私って、世界一幸せなのでは…。
「王女さま、先程から百面相ですね。」
パトリックに笑われてしまう。
そしていつの間にかご飯を食べ終えていたフェイさんとシロも、じっと私を見ていた。
「だ、だって私のことをこんな風におっしゃるなんて…。」
しかも全国民が読むものなのに…。
「皆、王子さまとお二人の王女さまの明るい未来を願っていますよ。」
「パトリック…。」
そうなのかな…。そうだったら嬉しいなと、また続きを読んでいると、足元に柔らかな感触を感じて下を見る。
するとシロが私にまとわりついて丸くなっていた。
「この狐は王女さまが気に入ってるのでしょうか。」
「……。」
答えあぐねていると、パトリックはクスッと笑みを浮かべて、庭の手入れに行ってしまった。
その隙に足をぱっと避けると、当然シロがかくんとなる。
「シロ、君の奥さんはゆづ王子でしょ。」
そう言うととぼとぼと元いた場所に戻っていくシロ。
ちょっと冷たいかなって思ったけど、人妻の私に好意を持たれては困る。
今の所、ゆづ王子に名前を呼ばれると狐や人間に変化すること以外は、何も変わったことはなさそうなのだけど、この先どんな不思議なことが起こらないとも限らない。
狐の時は出来るだけ厳しく躾なきゃ。とシロを見ながら何故かそんなことを思ったのだった。
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鹿(プロフ) - suzuranさん» 会見を見たのですが、動いてしゃべってるのがいいな、やっぱり!どんな作戦をたてているのか謎ですが、あと3日。わくわくさせてくれるかなー(*^_^*) (2018年2月13日 14時) (レス) id: 73ad5e2308 (このIDを非表示/違反報告)
鹿(プロフ) - 心菜さん» 手長いんですね。一度着替えて、また着替えて空港を出たのでしょうか(笑)サイズくらいジャージの図ったやつがあるだろうにと思いましたが。どうせ二度と着ないやつ(*・∀・*)ノ (2018年2月13日 14時) (レス) id: 73ad5e2308 (このIDを非表示/違反報告)
鹿(プロフ) - みなみさん» 初日、氷の上で滑っている姿が幸せそうでした(*^_^*)速報で中継とか扱いがすごい!これからニュースは羽生さん一色ですね。だってスターだもの。いつか国民栄誉賞を! (2018年2月13日 14時) (レス) id: 73ad5e2308 (このIDを非表示/違反報告)
suzuran(プロフ) - 更新嬉しいです! プーがダメというのは知っていたけれど、ショートケーキには驚きです。予想の斜め上をいくゆづw。明日の会見で誰か記者の人が触れてくれたらと期待してますw (2018年2月12日 20時) (レス) id: 4f2407ab74 (このIDを非表示/違反報告)
心菜(プロフ) - やんごとなき感満載のお姿でしたね(*´艸`) でも、あの袖丈とズボン丈はお直し必須でお願いしたい!せっかく肩幅はジャストなのに〜。今晩の公式練習出るんでしょうか?黒い子羽生さんを見ないとやはり落ち着きません。 (2018年2月12日 19時) (レス) id: 15da2c977a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:鹿 | 作成日時:2018年1月17日 14時