【二つの名前】3 ☆ ページ38
「ゆづ！」
「ゆづ王子！」
駆け寄ると、佳菜子さまがおもむろにゆづ王子の黒い衣服を、首から背中が見えるように引っ張った。
「本当に勾玉みたいな痣が出来てる！」
「……。」
これがさっき刑事さんが言ってた紋章…。
「はぁ、はぁ…。」
汗がにじむ額をぬぐって、ゆづ王子が荒く息をする。
「結弦！お前なんてことを！」
葉っぱを探しているのだろうか。刑事さんが慌ててゆづ王子の頭をわしゃわしゃと混ぜる。
「田中くん。ちなみにこれどういう状況？」
佳菜子さまが刑事さんに今の危機的状況を尋ねると、想像通りの答えが帰ってくる。
「俺と結弦が…結婚したことになった。」
「ひえー！」
この間抜けな声はもちろん佳菜子さまだけど、私だって叫びたいのをぐっと堪えてなんとか冷静さを保つ。
「…結婚って、男同士なのに大丈夫なのですか？」
「……。」
私の素朴な疑問に言葉を失っているのか、刑事さんが固まっている。
「同姓の結婚は…前例がない。」
さらに首を横に振りながら頭を抱える姿が、急に情けなく思えてしまった。
「ちょうどいい…。これでもうAにちょっかい出せなくて済むな。」
痛みで少し顔を歪めながら、ゆづ王子が首の後ろを押さえつつ立ち上がる。
「どうしましょう…。王子さまに三人目の妻…いや、一人目の夫…。」
でも、オロオロするばかりの私とは対照的に、佳菜子さまは相変わらず冷静だ。
「とりあえずさ、田中くんも日野くんみたいにゆづに仕えればいいじゃん。」
「な…。」
「そうだな。こうやって結婚したし？せっかく久しぶりに再会したんだ。しばらく温室でフェイと仲良く暮らせば？」
佳菜子さまはともかく、あくまでも何事もなかった風におっしゃるゆづ王子が逆に怖い。
私は完全に声をかけるタイミングを見失っていた。
「……。」
「A、とりあえず大丈夫だから。」
振り返ったゆづ王子が、私に一応の笑顔を見せてくれるのだけど…。
これ、本当に大丈夫なのかな。後で大変なことになったりしないかな…。
バンパイアとの契約といい白い狐との結婚といい…まるで王子さまの身体の中に次々と動物を取り込んでいるみたいだ。
私は一度司祭さまに相談した方がいいのでは？と本気で心配になっていた。
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鹿(プロフ) - suzuranさん» 会見を見たのですが、動いてしゃべってるのがいいな、やっぱり！どんな作戦をたてているのか謎ですが、あと３日。わくわくさせてくれるかなー(*^_^*) (2018年2月13日 14時) (
レス) id: 73ad5e2308 (このIDを非表示/違反報告)
鹿(プロフ) - 心菜さん» 手長いんですね。一度着替えて、また着替えて空港を出たのでしょうか(笑)サイズくらいジャージの図ったやつがあるだろうにと思いましたが。どうせ二度と着ないやつ(*・∀・*)ノ (2018年2月13日 14時) (レス) id: 73ad5e2308 (このIDを非表示/違反報告)
鹿(プロフ) - みなみさん» 初日、氷の上で滑っている姿が幸せそうでした(*^_^*)速報で中継とか扱いがすごい！これからニュースは羽生さん一色ですね。だってスターだもの。いつか国民栄誉賞を！ (2018年2月13日 14時) (レス) id: 73ad5e2308 (このIDを非表示/違反報告)
suzuran(プロフ) - 更新嬉しいです！ プーがダメというのは知っていたけれど、ショートケーキには驚きです。予想の斜め上をいくゆづw。明日の会見で誰か記者の人が触れてくれたらと期待してますw (2018年2月12日 20時) (レス) id: 4f2407ab74 (このIDを非表示/違反報告)
心菜(プロフ) - やんごとなき感満載のお姿でしたね(*´艸`) でも、あの袖丈とズボン丈はお直し必須でお願いしたい！せっかく肩幅はジャストなのに〜。今晩の公式練習出るんでしょうか？黒い子羽生さんを見ないとやはり落ち着きません。 (2018年2月12日 19時) (レス) id: 15da2c977a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：鹿
| 作成日時：2018年1月17日 14時
