【白狐の正体】8 ★ ページ34
「ん?それは…えーっとね。」
煮え切らない俺の態度に佳菜が早くと急かすのだけど、実は自分でもよく分からないのだ。
祈祷の影響かなとも思うけど、今はただ何となく…としか答えようがない。
「そもそもさ、何で狐なの。」
とりあえずここで一番みんなが疑問に思ってることを尋ねる。
フェイの時もそうだったけど、刑事も子供の頃は普通に人間だったはずだ。
「狐族…。」
え。
「狐族?」
聞いたことあるようなないような…。
「俺は…狐族の末裔だったんだ。」
遠い目をして話し始める刑事に、全員の視線が釘付けになった。
18才の刑事に降りかかった悲劇ともいうべき出来事は、ある日突然、無性に油揚げが食べたくなったことから始まったらしい。
あまりにそればかり食べるので心配した両親が調べた所、ご先祖に狐族の人間がいたことが発覚し、何故か刑事にだけその血が受け継がれてしまった、いわば突然変異的な覚醒遺伝なのだそうだ。
「そんなん聞いたことねぇ…。」
「俺も最初は戸惑ったよ。だから家を出て北の地でひっそりと暮らしていたのに。」
狐は寒い地域を好む習性から、自ずと北の塔周辺に集まるらしく、普通の狐と群れをなして何匹かで集団生活をしていたようだ。
「ちなみになんで白いの。」
「人間と狐に自由に身体を変化出来るのは、白い狐だけだ。俺の知る限りでは、他の個体は確認していないが。」
「…レアなのか。」
色々あるんだな、狐族って。
「でも田中くん、ここへ何しに来たの。」
佳菜がやっとこの状況に慣れたのか、いつもの調子で話しかける。
確かに、旧友との再会をしに来たわけでもあるまいし、わざわざお城まで来た意味が分からない。
「今から一年前…俺は狐族の長になった。」
「それ答えになってねーし。」
相変わらず無表情なのは昔から全然変わってないなと思いつつ、刑事のつぶやきに突っ込む。
「まぁ聞け。族の長になるということは…そろそろ妻を迎えねばならないということだ。」
妻…?
「田中くん結婚するんだ!」
おめでとう!と佳菜が一人で盛り上がっている。
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鹿(プロフ) - suzuranさん» 会見を見たのですが、動いてしゃべってるのがいいな、やっぱり!どんな作戦をたてているのか謎ですが、あと3日。わくわくさせてくれるかなー(*^_^*) (2018年2月13日 14時) (レス) id: 73ad5e2308 (このIDを非表示/違反報告)
鹿(プロフ) - 心菜さん» 手長いんですね。一度着替えて、また着替えて空港を出たのでしょうか(笑)サイズくらいジャージの図ったやつがあるだろうにと思いましたが。どうせ二度と着ないやつ(*・∀・*)ノ (2018年2月13日 14時) (レス) id: 73ad5e2308 (このIDを非表示/違反報告)
鹿(プロフ) - みなみさん» 初日、氷の上で滑っている姿が幸せそうでした(*^_^*)速報で中継とか扱いがすごい!これからニュースは羽生さん一色ですね。だってスターだもの。いつか国民栄誉賞を! (2018年2月13日 14時) (レス) id: 73ad5e2308 (このIDを非表示/違反報告)
suzuran(プロフ) - 更新嬉しいです! プーがダメというのは知っていたけれど、ショートケーキには驚きです。予想の斜め上をいくゆづw。明日の会見で誰か記者の人が触れてくれたらと期待してますw (2018年2月12日 20時) (レス) id: 4f2407ab74 (このIDを非表示/違反報告)
心菜(プロフ) - やんごとなき感満載のお姿でしたね(*´艸`) でも、あの袖丈とズボン丈はお直し必須でお願いしたい!せっかく肩幅はジャストなのに〜。今晩の公式練習出るんでしょうか?黒い子羽生さんを見ないとやはり落ち着きません。 (2018年2月12日 19時) (レス) id: 15da2c977a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:鹿 | 作成日時:2018年1月17日 14時