検索窓
今日:29 hit、昨日:1 hit、合計:140,997 hit

【休日】5 ★ ページ23

★ゆづサイド

つい一希のコーチに夢中になっていたら、一般開放の時間になってしまっていた。

それに気付いたのは、聞き覚えのある声がリンクに響いたから。

「あれー?ゆづやん。」

独特の言葉づかい。これは…ノブくんだ。
リンクで会うなんて久しぶりかも。と思いつつ、俺はとりあえず一希を呼んだ。

「じゃあ一希、次はまた三日後ここで。」

「はい、ありがとうございました!」

練習の終了を告げて、俺ももう上がろうと一希を氷上に残して、くるりとターンしながらノブくんの側へ行く。

するとノブくんが遠巻きに一希を見ながら不思議そうに尋ねてきた。

「ゆづ、あの子は?」

「俺の生徒第一号。」

「えー!あの噂ほんまやったん?!」

俺がドヤって言うと、両手を上げて驚かれる。
ノブくんのいう噂とは、きっと俺がジュニアのコーチをするというあり得ない展開のことだろう。

「うん。色々あってこうなった。」

エッジカバーを着けてから、客席に置いておいたジャージを羽織る。
フェイのことやプルシェンコのこと。説明するのもややこしいくらいだけど、コーチすること自体は楽しいからもう気にしない。

「あ、Aさまも。」

「こんにちは。」

側のベンチに座っているAがノブくんと軽く挨拶を交わす。
そうだ、Aも連れて来てたんだ。こりゃ早いとこここから出なきゃ。

「これから滑んの?」

「うん。ゆづはお疲れさん。」

ノブくんの言葉に一瞬あれ?ってなる。
そういえば今日、ほとんど疲れてないかも。

あんまり滑ってないのもあるけど、そのわりに寒さも気にならなかったような…。

「あ、ゆづ王子だ!」

不意に親子連れに声をかけられる。
やばっ、一般開放のリンクに続々と人が!

「こんにちは。」

冷静に、そっと頭を撫でてとっととリンクを出る準備をする。
スケート靴はもう履いたままで、とにかく城へ戻るためにリンクを横切って進んで行く。

ノブくんに、またね。と挨拶して歩きだす途中でAに追い付いたので、その背中をさりげなく押しながら前を歩かせていると、不意にAが…。

「大人気ですね。」

と真面目な顔で言った。

「子供にはね。」

「またまたぁ。」

腕をちょんとつつかれながら、少し小走りにリンクを後にした。




.

【休日】6 ★→←【休日】4 ☆



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.8/10 (89 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
150人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

鹿(プロフ) - suzuranさん» 会見を見たのですが、動いてしゃべってるのがいいな、やっぱり!どんな作戦をたてているのか謎ですが、あと3日。わくわくさせてくれるかなー(*^_^*) (2018年2月13日 14時) (レス) id: 73ad5e2308 (このIDを非表示/違反報告)
鹿(プロフ) - 心菜さん» 手長いんですね。一度着替えて、また着替えて空港を出たのでしょうか(笑)サイズくらいジャージの図ったやつがあるだろうにと思いましたが。どうせ二度と着ないやつ(*・∀・*)ノ (2018年2月13日 14時) (レス) id: 73ad5e2308 (このIDを非表示/違反報告)
鹿(プロフ) - みなみさん» 初日、氷の上で滑っている姿が幸せそうでした(*^_^*)速報で中継とか扱いがすごい!これからニュースは羽生さん一色ですね。だってスターだもの。いつか国民栄誉賞を! (2018年2月13日 14時) (レス) id: 73ad5e2308 (このIDを非表示/違反報告)
suzuran(プロフ) - 更新嬉しいです! プーがダメというのは知っていたけれど、ショートケーキには驚きです。予想の斜め上をいくゆづw。明日の会見で誰か記者の人が触れてくれたらと期待してますw (2018年2月12日 20時) (レス) id: 4f2407ab74 (このIDを非表示/違反報告)
心菜(プロフ) - やんごとなき感満載のお姿でしたね(*´艸`) でも、あの袖丈とズボン丈はお直し必須でお願いしたい!せっかく肩幅はジャストなのに〜。今晩の公式練習出るんでしょうか?黒い子羽生さんを見ないとやはり落ち着きません。 (2018年2月12日 19時) (レス) id: 15da2c977a (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:鹿 | 作成日時:2018年1月17日 14時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。