【休日】5 ★ ページ23
★ゆづサイド
つい一希のコーチに夢中になっていたら、一般開放の時間になってしまっていた。
それに気付いたのは、聞き覚えのある声がリンクに響いたから。
「あれー?ゆづやん。」
独特の言葉づかい。これは…ノブくんだ。
リンクで会うなんて久しぶりかも。と思いつつ、俺はとりあえず一希を呼んだ。
「じゃあ一希、次はまた三日後ここで。」
「はい、ありがとうございました!」
練習の終了を告げて、俺ももう上がろうと一希を氷上に残して、くるりとターンしながらノブくんの側へ行く。
するとノブくんが遠巻きに一希を見ながら不思議そうに尋ねてきた。
「ゆづ、あの子は?」
「俺の生徒第一号。」
「えー!あの噂ほんまやったん?!」
俺がドヤって言うと、両手を上げて驚かれる。
ノブくんのいう噂とは、きっと俺がジュニアのコーチをするというあり得ない展開のことだろう。
「うん。色々あってこうなった。」
エッジカバーを着けてから、客席に置いておいたジャージを羽織る。
フェイのことやプルシェンコのこと。説明するのもややこしいくらいだけど、コーチすること自体は楽しいからもう気にしない。
「あ、Aさまも。」
「こんにちは。」
側のベンチに座っているAがノブくんと軽く挨拶を交わす。
そうだ、Aも連れて来てたんだ。こりゃ早いとこここから出なきゃ。
「これから滑んの?」
「うん。ゆづはお疲れさん。」
ノブくんの言葉に一瞬あれ?ってなる。
そういえば今日、ほとんど疲れてないかも。
あんまり滑ってないのもあるけど、そのわりに寒さも気にならなかったような…。
「あ、ゆづ王子だ!」
不意に親子連れに声をかけられる。
やばっ、一般開放のリンクに続々と人が!
「こんにちは。」
冷静に、そっと頭を撫でてとっととリンクを出る準備をする。
スケート靴はもう履いたままで、とにかく城へ戻るためにリンクを横切って進んで行く。
ノブくんに、またね。と挨拶して歩きだす途中でAに追い付いたので、その背中をさりげなく押しながら前を歩かせていると、不意にAが…。
「大人気ですね。」
と真面目な顔で言った。
「子供にはね。」
「またまたぁ。」
腕をちょんとつつかれながら、少し小走りにリンクを後にした。
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鹿(プロフ) - suzuranさん» 会見を見たのですが、動いてしゃべってるのがいいな、やっぱり!どんな作戦をたてているのか謎ですが、あと3日。わくわくさせてくれるかなー(*^_^*) (2018年2月13日 14時) (レス) id: 73ad5e2308 (このIDを非表示/違反報告)
鹿(プロフ) - 心菜さん» 手長いんですね。一度着替えて、また着替えて空港を出たのでしょうか(笑)サイズくらいジャージの図ったやつがあるだろうにと思いましたが。どうせ二度と着ないやつ(*・∀・*)ノ (2018年2月13日 14時) (レス) id: 73ad5e2308 (このIDを非表示/違反報告)
鹿(プロフ) - みなみさん» 初日、氷の上で滑っている姿が幸せそうでした(*^_^*)速報で中継とか扱いがすごい!これからニュースは羽生さん一色ですね。だってスターだもの。いつか国民栄誉賞を! (2018年2月13日 14時) (レス) id: 73ad5e2308 (このIDを非表示/違反報告)
suzuran(プロフ) - 更新嬉しいです! プーがダメというのは知っていたけれど、ショートケーキには驚きです。予想の斜め上をいくゆづw。明日の会見で誰か記者の人が触れてくれたらと期待してますw (2018年2月12日 20時) (レス) id: 4f2407ab74 (このIDを非表示/違反報告)
心菜(プロフ) - やんごとなき感満載のお姿でしたね(*´艸`) でも、あの袖丈とズボン丈はお直し必須でお願いしたい!せっかく肩幅はジャストなのに〜。今晩の公式練習出るんでしょうか?黒い子羽生さんを見ないとやはり落ち着きません。 (2018年2月12日 19時) (レス) id: 15da2c977a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:鹿 | 作成日時:2018年1月17日 14時