【bitter】1 ☆ ページ12
☆主人公サイド
食事を終えてまた二人の部屋に戻る。
ゆづ王子には今お風呂に入ってもらっているので、先に入らせていただいた私はゆっくりハーブティーの準備中。
それにしても…。
「あの絵、燃やさなくてよかったぁ…。」
まさか王妃さまの描かれた物だったなんて…真凜が聞いたらびっくりするだろうな。
私は棚からお揃いのティーカップを取り出して、以前の面影が残るキッチン右往左往する。
またこれで一緒にお茶を飲めることを素直に嬉しく思っていると、もうゆづ王子がお風呂から上がって来られた。
「あーさっぱりした。」
「早かったですね。」
「うん。今日一度風呂入ってたから。」
そうなんだ。祈祷を終えられたばかりだし、まだ少しお疲れなのかな。
「ゆづさん、今日のお茶はエルダーフラワーにしたんです。」
「あ、いい香り!」
こんな会話も久しぶりだと思いつつ、沸かしたお湯をそそいでいく。
ちなみにこれは甘い香りでとても飲みやすい種類だから、私も大好きなハーブの一つだ。
「では…こちらにいらしてください。」
私は新しくお部屋に加わったテーブルにカップを置いて、ゆづ王子の椅子を引く。
「ありがと。このテーブルさ、ちょっとお茶するのによくない?」
そして座りながら、王子さまが優しくその表面をさする。
「本当ですね。一枚板…ですか?」
「うん、無良くんの村から取り寄せたの。ちょうどいいのがあってさ。」
そういえばあの村は林業が盛んなんだっけ、と思いながら私も隣に座って一息つく。
「村の皆さんお元気でしょうか。」
「あれ、さらわれたのに許しちゃったの?」
ゆづ王子にちょっと冗談ぽく言われて、ここはそのノリに合わせるべきかなと頭を捻る。
確かに、この気持ちを表すのはとても難しくて、自分でも甘すぎるかなと思う部分もあるど、実際にもう何とも思ってはいない。
「あれは…散歩ですから。」
そう気にしてない風に伝えて、熱いハーブティーを一口飲んだ。
「…そっか、そだね。」
実際もう過去のことだし、ゆづ王子だってそうおっしゃった。
それにあの出来事があったから、私はフリーの試合を見ることが出来たのだ。
それだけは良かったと思っているし、何よりゆづ王子が直接迎えに来てくれた事がとても嬉しかった。
今回だってそう。
私達のために長い間祈祷して、見捨てずにいてくださった。
こんな王子さま、きっと他にいない。
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鹿(プロフ) - suzuranさん» 会見を見たのですが、動いてしゃべってるのがいいな、やっぱり!どんな作戦をたてているのか謎ですが、あと3日。わくわくさせてくれるかなー(*^_^*) (2018年2月13日 14時) (レス) id: 73ad5e2308 (このIDを非表示/違反報告)
鹿(プロフ) - 心菜さん» 手長いんですね。一度着替えて、また着替えて空港を出たのでしょうか(笑)サイズくらいジャージの図ったやつがあるだろうにと思いましたが。どうせ二度と着ないやつ(*・∀・*)ノ (2018年2月13日 14時) (レス) id: 73ad5e2308 (このIDを非表示/違反報告)
鹿(プロフ) - みなみさん» 初日、氷の上で滑っている姿が幸せそうでした(*^_^*)速報で中継とか扱いがすごい!これからニュースは羽生さん一色ですね。だってスターだもの。いつか国民栄誉賞を! (2018年2月13日 14時) (レス) id: 73ad5e2308 (このIDを非表示/違反報告)
suzuran(プロフ) - 更新嬉しいです! プーがダメというのは知っていたけれど、ショートケーキには驚きです。予想の斜め上をいくゆづw。明日の会見で誰か記者の人が触れてくれたらと期待してますw (2018年2月12日 20時) (レス) id: 4f2407ab74 (このIDを非表示/違反報告)
心菜(プロフ) - やんごとなき感満載のお姿でしたね(*´艸`) でも、あの袖丈とズボン丈はお直し必須でお願いしたい!せっかく肩幅はジャストなのに〜。今晩の公式練習出るんでしょうか?黒い子羽生さんを見ないとやはり落ち着きません。 (2018年2月12日 19時) (レス) id: 15da2c977a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:鹿 | 作成日時:2018年1月17日 14時