【sweet】4 ★ ページ11
「火がなくても身体を動かして暖まればと、スケートのジャンプを跳んでみたり。」
「あら。」
次々と出てくる武勇伝に、不謹慎にも笑いそうになる。
でもキャンプファイヤーはともかく、ジャンプはけっこう実用的かも。
「とにかく…心が折れかけた時。あの天真爛漫な性格に何度救われたか…。」
「……。」
「私など、まだまだです…。」
首を横に振りながら伏せ目がちに微笑むAは、今回の謹慎で少し王女としての自信を失っているように見える。
自分のせいで北の塔へ付き合わせた手前、王族としてもっと出来ることがあったのではと、自責の念にとらわれているのかもしれない。
そんなAを励ますつもりで、俺は言葉をかけた。
「これから頑張ればいいんだよ。」
「え。」
「今回はダメだったなって思ったら次別の事で頑張ればいいの。人生常に勉強だよ?」
俺だってそうだ。試合で失敗しても、また次頑張る。
出来なかった理由を見つけてひたすらに練習する。
「……。」
「出来ることからやればいいから。小さな積み重ねが大きな力になる日がくるって。」
人生なんてそんなもん!と軽い気持ちで告げると、Aがちょっと安心したように微笑んだ。
「ゆづさん…。」
「ま、あんま深く考えなくていいけどね。」
俺が目の前にあるメインの肉料理を頬張ると、そんな俺を見て何か納得したのか、Aがしっかりとフォークを持って同じく肉を刺す。
「ゆづさん。私、明るい妻になります。」
全てはそこからな気がします。と決意を新たにしたように肉を口に入れた。
「そーだね。明るい性格は何よりの財産だから。」
出来ることからちょっとずつ。自分が変わる第一歩だな。
俺も納得しつつまた食事を再開すると…。
「所でゆづさん。塔に飾られていた大きな絵は誰が描いたものなのですか?」
不意にAから出たセリフに、何の事かなと理解するのにちょっと時間がかかったけど、一階の壁に掛けてある風景画を思い出してはっとする。
「あぁ、あれ?あれは母が描いたものだよ。なんか恥ずかしいからって北の塔に飾ったんだった。」
「え!王妃さまの?!」
Aがすごく驚いた表情をしている。
「お城に飾ればって言ったんだけど、結局北の塔に持ってっちゃって。あ、ひょっとして燃やしちゃったとか…。」
何でも薪代わりにしていいって言ったけど、まさかあの絵画を?
「い、いえ!さすがにそれは…。」
そっか、良かった。
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鹿(プロフ) - suzuranさん» 会見を見たのですが、動いてしゃべってるのがいいな、やっぱり!どんな作戦をたてているのか謎ですが、あと3日。わくわくさせてくれるかなー(*^_^*) (2018年2月13日 14時) (レス) id: 73ad5e2308 (このIDを非表示/違反報告)
鹿(プロフ) - 心菜さん» 手長いんですね。一度着替えて、また着替えて空港を出たのでしょうか(笑)サイズくらいジャージの図ったやつがあるだろうにと思いましたが。どうせ二度と着ないやつ(*・∀・*)ノ (2018年2月13日 14時) (レス) id: 73ad5e2308 (このIDを非表示/違反報告)
鹿(プロフ) - みなみさん» 初日、氷の上で滑っている姿が幸せそうでした(*^_^*)速報で中継とか扱いがすごい!これからニュースは羽生さん一色ですね。だってスターだもの。いつか国民栄誉賞を! (2018年2月13日 14時) (レス) id: 73ad5e2308 (このIDを非表示/違反報告)
suzuran(プロフ) - 更新嬉しいです! プーがダメというのは知っていたけれど、ショートケーキには驚きです。予想の斜め上をいくゆづw。明日の会見で誰か記者の人が触れてくれたらと期待してますw (2018年2月12日 20時) (レス) id: 4f2407ab74 (このIDを非表示/違反報告)
心菜(プロフ) - やんごとなき感満載のお姿でしたね(*´艸`) でも、あの袖丈とズボン丈はお直し必須でお願いしたい!せっかく肩幅はジャストなのに〜。今晩の公式練習出るんでしょうか?黒い子羽生さんを見ないとやはり落ち着きません。 (2018年2月12日 19時) (レス) id: 15da2c977a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:鹿 | 作成日時:2018年1月17日 14時