【おかえり】2 ☆ ページ2
☆主人公サイド
お城に到着すると、真凜や無良さんは、馬車から降りるや否やすぐにそれぞれの役目を全うするために、あれこれ動いている。
あまり大々的な歓迎はなく、ひっそりとしたものだけど、謹慎からの帰城だから私としてはその方がありがたい。
さてこれから私はというと、なぜか子女に客間のような部屋に通されて、一人お風呂に入ってからクリーム色のドレスを身に着けている最中だ。
形式ばった事をするようで、その準備に余念がない。
「これ、初めて王子さまにお会いした時のドレスかな…。」
「左様です。どうやら謁見の間にて、王子さまに帰城の報告をする手筈のようですよ。」
そうなんだ。
そんなに大袈裟なことになってるなんて…。普通にお部屋で再会出来ると思っていたけど、違ったんだ。
されるがまま髪を綺麗にまとめて、イヤリングを着けたら外見は出来上がり。
「変じゃないかな。」
旅の疲れが顔に出ていないか子女に尋ねる。
「大丈夫でごさいます。いつものお美しい王女さまですよ。」
真凜とは違う物言いが、なんだかとてもくすぐったい。
さぁ、このまま謁見の間へ向かおうと、鏡を見ながら背筋をぴっと正して最終確認をする。
「では参りましょう。」
そして部屋から出てお城の中を歩いていると、一週間お城を離れていただけなのに、なんだか懐かしさでいっぱいになる。
あの寒くて狭い部屋での生活が夢だったんじゃないかとさえ思えるほどに、これから王子さまと会える嬉しさとどきどきで胸が苦しい。
ふと窓の外を見ると、工事をし終えたような人達がいて何事かなと思ったけど、今はそんなこと気にしている余裕はないから、また真っ直ぐ前を見据えて歩いて。
そしてついに謁見の間の前までたどり着く。
護衛の兵士が私達に敬礼をすると、すぐにまっちーさんがやって来て、そのまま中の待合室へ通される。
「王女さま、どうぞ中へ。」
「……。」
カーテンをそっとめくって、さらに中へと入っていく中で、状況が初めて氷の国へ来た日のような緊張感に似ているなと思うけど、気持ちは全然違う。
あの日の絶望していた私はもうどこにもいない。
今はただ、愛しい人に会いたいだけの女の子だ。
一歩ずつ進んでいくヒールの足音が良く響く。だけどそれ以上に自分の心臓の音でどうにかなりそうだった。
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鹿(プロフ) - suzuranさん» 会見を見たのですが、動いてしゃべってるのがいいな、やっぱり!どんな作戦をたてているのか謎ですが、あと3日。わくわくさせてくれるかなー(*^_^*) (2018年2月13日 14時) (レス) id: 73ad5e2308 (このIDを非表示/違反報告)
鹿(プロフ) - 心菜さん» 手長いんですね。一度着替えて、また着替えて空港を出たのでしょうか(笑)サイズくらいジャージの図ったやつがあるだろうにと思いましたが。どうせ二度と着ないやつ(*・∀・*)ノ (2018年2月13日 14時) (レス) id: 73ad5e2308 (このIDを非表示/違反報告)
鹿(プロフ) - みなみさん» 初日、氷の上で滑っている姿が幸せそうでした(*^_^*)速報で中継とか扱いがすごい!これからニュースは羽生さん一色ですね。だってスターだもの。いつか国民栄誉賞を! (2018年2月13日 14時) (レス) id: 73ad5e2308 (このIDを非表示/違反報告)
suzuran(プロフ) - 更新嬉しいです! プーがダメというのは知っていたけれど、ショートケーキには驚きです。予想の斜め上をいくゆづw。明日の会見で誰か記者の人が触れてくれたらと期待してますw (2018年2月12日 20時) (レス) id: 4f2407ab74 (このIDを非表示/違反報告)
心菜(プロフ) - やんごとなき感満載のお姿でしたね(*´艸`) でも、あの袖丈とズボン丈はお直し必須でお願いしたい!せっかく肩幅はジャストなのに〜。今晩の公式練習出るんでしょうか?黒い子羽生さんを見ないとやはり落ち着きません。 (2018年2月12日 19時) (レス) id: 15da2c977a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:鹿 | 作成日時:2018年1月17日 14時