【お城便り】6 ☆ ページ50
☆主人公サイド
「出来ましたよ。」
包帯の端を結んで無良さんがシロの手当てを終えた。
「ありがとう。でもどうして私には触れさせてくれないのかしら。」
私の部屋の暖炉の前。
無良さんが触れている時は、シロはとても大人しいのだ。
「男の子だからじゃないですか。」
「まさか！」
そんな理由なはずはない。
冗談ぽく言われたのが悔しくて、シロに近づきながら少しだけ手を出してみると…。
「ガウッ！」
「きゃ！」
やっぱり噛みつかれそうになって慌てて離れる。
「こら、王女さまに無礼だぞ。」
そんな私のへっぴり腰な様子をよそに、無良さんがシロの身体を撫でた。
「え、危ないですよ！」
噛まれてしまうのでは…と思ったのもつかの間、されるがまま無良さんに身を任せているシロ。
…一体どうなってるの。
私はもう一度、今度はシロのおやつにと取っておいたパンを手に近づく。
俗に言う餌付け作戦だ。
「今度はパンですか？」
「私の手から食べてくれたら…。」
そーっと右手を差し出してみるけど…。
「グルルル…。」
うなられて無言で手を引っ込める私。
…これ全く心を許してない。
「王女さま、この狐は女性に戸惑っているのでしょう。狩人など、ほぼ男しか見たことないのかもしれません。」
がっかりしてため息をついていると無良さんが上手に励ましてくれた。
「そうだといいんだけど…。」
私はパンをそっとシロの巣箱に置いて立ち上がる。
くるりと踵を返してシロの前から移動したら無良さんが…。
「さて、あまり王女さまのお部屋に長居するわけにもまいりませんので、この辺で失礼します。」
何かあればお呼びください。と、あっさりと部屋を出ていってしまった。
「無良さん？」
私の呼び掛けより早く扉が閉まると、またシロと二人きりの静かな部屋に戻る。
「そうか。無良さん、私との間に線を引いてるんだ…。」
当然のことだけど、少し呆然としてしまう。
いや、私は王女なんだから、ここは私がしっかりしなきゃ！
「よし。」
小さくガッツポーズをしてシロをちらっと見ると、安心したように巣箱で丸くなっていた。
何よ、人の気も知らないで。
「そうだ、ゆづ王子にお手紙を書かなきゃ。」
今現在のこの状況を。
シロが思った以上になつかないことと、無良さんには触らせること。
「なんでかな〜。」
腕を組んで考える。
何故かさっきからシロに対しては、心が揺らいで仕方がない私だった。
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鹿(プロフ) - yukiさん» 本当ですか？！うれしいです！！ひとつ、里帰りする話でも書きたいなーと思ったのですが、すんごい長くなりそうで今だ執筆に至っておりません(笑)ファンタジーは設定を気軽に無視できるので、書いてて楽しいです！ (2022年1月1日 8時) (
レス) id: ac41a7df10 (このIDを非表示/違反報告)
yuki(プロフ) - このシリーズが、大好きです。番外編とかあったら読みたいです。 (2021年12月30日 23時) (レス) id: e391a6e98e (このIDを非表示/違反報告)
鹿(プロフ) - みなみさん» 私もリアルタイムで見てました＼(^o^)／ノーミスしてさらにその上の事をしないと上位にはいけませんね。ジャンプを後半に持ってきたり、繋ぎも大事何だなーと思いました。でもやっぱり羽生さんは別格だ(笑) (2017年12月24日 21時) (レス) id: 5b18a5bb03 (このIDを非表示/違反報告)
みなみ - 女子フリー、みんなの頑張りに涙が滲みました。バンクーバー五輪の代表選考で中野友加里さんとあっこちゃんとの勝負を思い出しました。うう〜、本当に２枠しかないの？辛いですね〜。２位の２枠目は坂本さんが優位かな、とは思います。さっとん、本当におめでとう！！ (2017年12月23日 23時) (レス) id: e2f297e7a8 (このIDを非表示/違反報告)
鹿(プロフ) - みなみさん» 羽生さん。今年の運勢、健康面あまり良くないんですよね。来年頑張って欲しいですね(・∀・)全日本はたぶん…チラ見かな(笑)女子は気になりますね！！狐さんの正体、かなり先になりそう？！ (2017年12月21日 16時) (レス) id: 5b18a5bb03 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：鹿
| 作成日時：2017年11月18日 0時
