【お世話】3 ☆ ページ39
「混ぜましょう!」
「え?」
「混ぜて増やしましょう!」
私はひらめいた。
挽き肉と茹でたじゃがいもを混ぜてオーブンで焼けば、大きなハンバーグになるのでは?と。
「混ぜる…。じゃあハンバーグというよりミートローフかな。」
ジョニーさんがふむふむとうなずいている。
「他にも色々考えますから、ひとまずお肉を分けて貰えませんか。」
お願いします!ともう一度頭を下げる。
「仕方ない。王女さまがそこまで言うのなら、僕も協力しようかな。」
節約料理も楽しそうだし。と言いながら、氷で出来た冷蔵庫からお肉を持ってきてくれた。
「わぁ…。」
「パンなんかも食べてくれるといいけど。」
さらに別の袋に入ったベーグルも。
「頂きます!ありがとう!!」
なんて優しいんだろう、ジョニーさん。
私はそれを受け止って急いで三階の自室へ向かった。
私が部屋に戻ると、シロの前に置いておいたお菓子が無くなっていた。
「あ、クッキー食べたんだ。」
これならパンも食べるかも…と思い、私は袋から一つ取り出して、再びそっと置いてみる。
そして、わくわくしつつ口にするのを待ってはみたものの…。匂いをかぐばかりで待てど暮らせどその気配はない。
パンはだめなのかな…。
ひょっとして喉が乾いているのかも、とテーブルにある水差しを取りに立ち上がる。
ふと後ろを向いた数秒の間。
水差しを手に戻ってきたらパンが無くなっていた!
「あ、見られて食べるのが嫌なんだ。」
なるほど。誰だってじーっと見られながら食事するの嫌だもんね…。
なんだか人間みたいだなと思いつつ、持ってきたお肉を今度はちゃんとお皿に乗せて置いてみた。
すると案の定、匂いをかいだだけで口をつけない。
「私向こうむいてるからね。本でも読もうかなー。」
わざと聞こえるように大きな声で言ってから一先ず本棚へ。
まだ手をつけていない歴史書を一冊持って、ちらっとシロを見てみると…。
そろそろと肉に鼻を近づけて、はむっと一つ咥えた。
食べた…!
それだけで、シロのことをちょっとだけ理解出来たようで嬉しくなった。
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鹿(プロフ) - yukiさん» 本当ですか?!うれしいです!!ひとつ、里帰りする話でも書きたいなーと思ったのですが、すんごい長くなりそうで今だ執筆に至っておりません(笑)ファンタジーは設定を気軽に無視できるので、書いてて楽しいです! (2022年1月1日 8時) (レス) id: ac41a7df10 (このIDを非表示/違反報告)
yuki(プロフ) - このシリーズが、大好きです。番外編とかあったら読みたいです。 (2021年12月30日 23時) (レス) id: e391a6e98e (このIDを非表示/違反報告)
鹿(プロフ) - みなみさん» 私もリアルタイムで見てました\(^o^)/ノーミスしてさらにその上の事をしないと上位にはいけませんね。ジャンプを後半に持ってきたり、繋ぎも大事何だなーと思いました。でもやっぱり羽生さんは別格だ(笑) (2017年12月24日 21時) (レス) id: 5b18a5bb03 (このIDを非表示/違反報告)
みなみ - 女子フリー、みんなの頑張りに涙が滲みました。バンクーバー五輪の代表選考で中野友加里さんとあっこちゃんとの勝負を思い出しました。うう〜、本当に2枠しかないの?辛いですね〜。2位の2枠目は坂本さんが優位かな、とは思います。さっとん、本当におめでとう!! (2017年12月23日 23時) (レス) id: e2f297e7a8 (このIDを非表示/違反報告)
鹿(プロフ) - みなみさん» 羽生さん。今年の運勢、健康面あまり良くないんですよね。来年頑張って欲しいですね(・∀・)全日本はたぶん…チラ見かな(笑)女子は気になりますね!!狐さんの正体、かなり先になりそう?! (2017年12月21日 16時) (レス) id: 5b18a5bb03 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:鹿 | 作成日時:2017年11月18日 0時