氷の国8

【仲良し】2　★ ページ25

「ま、今日のお前の指導っぷり見ていけそうだったらの話だけど。」

「いいの？！」

「国技だし。」

国がスケートを推奨するのに王族が協力するんだ、大臣だって反対しないだろう。

「じゃあちっちゃい子供に教えたい！」

「そうだな。いきなり大人じゃ大変そうだし。」

てかお城でスケート教室か…。
こういうの佳菜にぴったりかも。子供好きそうだし、そもそも佳菜も子供だし。…言わないけど。

いいな、俺も誰かを教えてみたいな…。
王族主催の教室となれは、俺が教えたって変じゃない。

「ねぇねぇ、いつからやっていい？！」

ちょっと自分が先生になっている姿を想像していたら、佳菜から矢継ぎ早に話しかけられてイラっとする。

「まぁ待て。法案として議会に通さなきゃだめだから…早くて１ヶ月くらいかかるかも。」

「そんなに？！」

「うるさいな。やり始めたら問題は色々湧いて出てくるんだよ。準備万端で始めたいだろ？」

どうせやるなら完璧にしたい。

「そりゃね…。」

「お遊び程度の教室なのか、本気で選手を育てたいのかとか。ちなみにお前はどっち？」

後者ならもう一人指導者が欲しい所だ。

「佳菜は…楽しく遊びながら、きっかけとして子供達にスケートに触れてもらいたい。」

佳菜の目が輝いている。

「そっか。じゃあ不定期に子供向け教室を開く感じだな。」

「そうそう！氷乗りたてです、みたいな！」

それなら話は早いかも。
決まった生徒を取らないなら、御触れを出して子供達を集めればいいだけの話だ。

「わかった。今度まっちーに相談してみるわ。」

次世代の選手育成も国の大事な役割だ。
滑り出したばかりの子供に、競技に対する向上心を持ってもらえるような教室が出来たら…。こんなにわくわくすることなはい。

「楽しみだなぁ〜。」

「あくまでも今日の教え方で判断するからな。」

俺の中ではほぼ決定してるけど、佳菜の指導っぷりをこの目で見るまでは安心出来ない。

「私はゆづみたいにドＳじゃないから大丈夫。」

おい…。

「いくらなんでもちっちゃい子相手に本気出さねーわ。」

滑れる子には上達して欲しいから色々言うけど。

「そこそこおっきい子には本気出すんだ。」

「……。」

佳菜、なかなか俺の心を読むな…。
それはなんとも言えないから、とりあえず無視してしまった。




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