【指導】1 ★ ページ30
★ゆづサイド
キッズグラスが終わったら次はジュニアクラス。
俺と佳菜が控え室からリンクへ戻ったら、さっきとは違う面々が氷上に集まっていた。
氷に乗った俺は、気を取り直してみんなの表情を見ながらリンク中央まで進む。
すると一人、子犬のようなかわいい顔をした男の子がいた。
すらっとしてて、俺と体型がちょっと似てる…。
「王子さま、こちらへ。」
横から係の人に促されたので、エッジを使ってシュッと止まると、ちょうどその子の正面になった。
その眼差しがなんだか切羽詰まってるようでちょっと気になったのだけど、これからスケート教室だし、とりあえずまだ声はかけないでおく。
「ではこれからジュニアクラスを結弦王子さまよりご指導いただきますので、皆さん失礼のないように。」
よろしくお願いします。と元気な声がリンクに響く。
ざっと見渡すと10代後半とおぼしき子も何人かいる。
「今日はよろしくね。えっと、皆はどれくらいスケートやってるの。」
一応のレベルが知りたくて尋ねてみると、さっきの男の子が、はい!と元気良く手を上げた。
一瞬静かになる会場内で、もちろん全員の視線が彼に集中する。
じゃあ話してもらおうと、ちょっと首をかしげてからうなずいて合図したら、彼が一歩前に出た。てか目の前だからちょう近いんだけど…。
「はい!友野一希です!19才です!突然ですが王子さま、クワドの跳び方を教えてください!」
え…。
なんだ突然。
「こ、こら友野!王子さまの前で失礼だろ!」
ほぼ全員がぽかーんとしていると、ここの関係者だろう。さらに前へ出てこようとする友野くん?を止めようと身体を押さえている。
「いいや、僕は王子さまのジャンプが理想なんです!この一時間で絶対にコツを掴んで確率を上げたいんです!」
俺のジャンプが理想?
なかなか嬉しいこと言うな。
それに真っ直ぐで曇りの無い良い目をしてる。
こういうタイプの子、嫌いじゃない。
「分かったわかった。とりあえずさ、皆のスケート見た後でいい?」
どの子がどれくらい滑れるのか、今は何も分からない状態なので、せめて実力を知ってからの方が良いと思ったのだ。
「いいです!でもその後絶対に僕のジャンプを見て下さい!」
関係者を振りほどいて俺に懇願する友野くんがなんだか気になりつつも、今日はジュニアクラスの指導がメインだと自分に言い聞かせながら、早速始めることにした。
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鹿(プロフ) - yukiさん» 本当ですか?!うれしいです!!ひとつ、里帰りする話でも書きたいなーと思ったのですが、すんごい長くなりそうで今だ執筆に至っておりません(笑)ファンタジーは設定を気軽に無視できるので、書いてて楽しいです! (2022年1月1日 8時) (レス) id: ac41a7df10 (このIDを非表示/違反報告)
yuki(プロフ) - このシリーズが、大好きです。番外編とかあったら読みたいです。 (2021年12月30日 23時) (レス) id: e391a6e98e (このIDを非表示/違反報告)
鹿(プロフ) - みなみさん» 私もリアルタイムで見てました\(^o^)/ノーミスしてさらにその上の事をしないと上位にはいけませんね。ジャンプを後半に持ってきたり、繋ぎも大事何だなーと思いました。でもやっぱり羽生さんは別格だ(笑) (2017年12月24日 21時) (レス) id: 5b18a5bb03 (このIDを非表示/違反報告)
みなみ - 女子フリー、みんなの頑張りに涙が滲みました。バンクーバー五輪の代表選考で中野友加里さんとあっこちゃんとの勝負を思い出しました。うう〜、本当に2枠しかないの?辛いですね〜。2位の2枠目は坂本さんが優位かな、とは思います。さっとん、本当におめでとう!! (2017年12月23日 23時) (レス) id: e2f297e7a8 (このIDを非表示/違反報告)
鹿(プロフ) - みなみさん» 羽生さん。今年の運勢、健康面あまり良くないんですよね。来年頑張って欲しいですね(・∀・)全日本はたぶん…チラ見かな(笑)女子は気になりますね!!狐さんの正体、かなり先になりそう?! (2017年12月21日 16時) (レス) id: 5b18a5bb03 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:鹿 | 作成日時:2017年11月18日 0時