【わかってる】1 ★ ページ10
★ゆづサイド
朝、Aとほとんど何も話さずにまったりと過ごした時とは反対に、俺は今、重い足取りで議会へと向かっている。
それは勿論、Aの処遇を決めるためなのだが…。
憂鬱だ…。
未だかつて王子が、自分の奥さんを裁くなんてことあったのだろうか…。
それにこのことは王族の歴史に永遠に書き記されることになるので、俺はそれが悲しくてたまらない。
Aの事は心から愛している。
今回のことも、出来ることなら穏便に済ませたいけど、それだと身内に甘いとか言われそうだし…。
「元はと言えばフェイがバンパイアだったりするから…。」
こんなの今言っても仕方ないけど、このやるせない気持ちを何処かにぶつけてたくて、つい恨み言が出てしまうのだ。
そんな重い気持ちのまま議会場の隣にある俺だけの控え室に入ると、まっちーがいろいろと準備していた。
「おはようございます、結弦王子。」
どことなく声がいつもより固い。
「おはよ…。」
そんな彼に、気のない返事をする俺。
「本日はこれをお召しください。」
壁にかけられた衣装に目をやると…。なんだ、バラードの2つ目のやつか。
「わかった。Aは?もう来てるの。」
「いいえ、結審を言い渡すのは午後ですので。」
結果だけ伝えるのか。
「そっか。…あーあ、今回は損な役回りだなー。」
まっちーに愚痴った瞬間、失敗したなと思ったけどもう遅い。
きっとまた嫌味が飛んでくるはずだと思い、身構える。
「心中お察しいたします。」
「え…。」
神妙な面持ちで頭を下げられて、衣装を持つ手が止まる。
今回のこと、まっちーなりに気を使ってくれているのかな。
心配をかけてしまって悪いことをした。
一呼吸して、肩の力を抜く。
さぁ、これから大臣相手にバトルだな。
出来るだけ穏便に、でも後腐れなく済ませられるように頑張ろう。
ふんわりした袖の衣装に腕を通しながら臨戦態勢に入った。
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ど素人ど底辺歌い手のつくよみ(プロフ) - すみません、ページ数も書くべきでした。 …忘れてしまいました、すみません。 (2018年2月27日 18時) (レス) id: e1bb019e02 (このIDを非表示/違反報告)
鹿(プロフ) - ど素人ど底辺歌い手のつくよみさん» 誤植かな?どこか教えていただけると助かります^^ (2018年2月27日 16時) (レス) id: 73ad5e2308 (このIDを非表示/違反報告)
ど素人ど底辺歌い手のつくよみ(プロフ) - されど名前に、でも、はいりませんよ。 (2018年2月27日 6時) (レス) id: e1bb019e02 (このIDを非表示/違反報告)
鹿(プロフ) - みなみさん» おめでとうございます!先生かあっこちゃんか、はたまた真央ちゃんか迷ったのですが、年上の感じが出したかったので先生にしました!次は誰が出てくるかなぁ〜(*^_^*) (2017年11月16日 15時) (レス) id: 5b18a5bb03 (このIDを非表示/違反報告)
鹿(プロフ) - suzuranさん» 今季のエキシビションは何なの!全日本エキシまで待つの?でも出場出来なかったらオリンピックまで幻やでぇ(笑)書くことでロスを癒すテクニックを身に付けはじめています(笑) (2017年11月16日 15時) (レス) id: 5b18a5bb03 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:鹿 | 作成日時:2017年11月3日 21時