【守りたい】1 ★ ページ24
★ゆづサイド
「ちょ、ちょっと待ってよ!そんなこと急に言われても…。」
「いいから。あ、もしかしてバンパイア法に触れるから無理とか?」
そうだ、何年か前に禁止されてるんだった。
「禁止はされてるけど、罰則はないから、ほぼ自己責任みたいにはなってるけど…。」
「なんだ、じゃあ問題ないな。」
さぁ飲め。と左腕の袖をまくってフェイの前に差し出す。
これは一応首だと目立つかなと考えてのことだ。
「お待ち下さい!王子たるものそんなことをしては大騒ぎになりますし、大臣から何を言われるか…。」
Aが横からもっともな意見を口にする。
「分かってる。だからさ、ここにいる三人だけの秘密にしない?」
まっちーにも黙っておけばいい。
「僕が嫌だよ!3年もゆづのぱしりなんて。」
「誰も悪いようにはしないよ。」
「そんなのわからないだろ?!」
よほど契約が嫌なのか、ここへきて珍しくフェイが感情的になっている。
「じゃあこういうのどう?お前がこの国でやらかした犯罪、みんなチャラにしてやるって言ったら?」
窃盗もただ見も傷害も、全部もみ消してやる。それならどうだと、したり顔で視線を向けると、ふとフェイの表情が変わった。
「そ、そんなこと出来るの…。」
「出来る。俺はこの国で一番偉いから。」
喰い付いたな…。まだ具体的には方法を考えてないけど、フェイの罪は軽い部類だし、まぁなんとかなるだろう。
「どうしよう…。」
「悩むくらいなら飲んだ方がいいよ。」
後悔先に立たずって言うだろう。と俺は押せ押せモードでフェイににじり寄る。
「ですが、血を飲むなど…。ゆづ王子の血がなくなってしまうのでは…。」
今度はAが心配そうに声をかけてくる。
なるほど。でもその答えを俺は知らないから、フェイに視線を送ってその問いに答えてもらう。
「血をもらうのは月に二、三回。コップ一杯程度だよ。」
「そっか。じゃあ問題ないな。」
俺はさらに左腕をフェイの顔に近づける。
「待ってよ!こんな大事なこと、一日よく考えさせて…?」
「はぁ?俺がそんなに暇だとでも?今すぐ決断しろ。」
今はこのまま勢いに任せてしまいたいことだってある。
153人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ど素人ど底辺歌い手のつくよみ(プロフ) - すみません、ページ数も書くべきでした。 …忘れてしまいました、すみません。 (2018年2月27日 18時) (レス) id: e1bb019e02 (このIDを非表示/違反報告)
鹿(プロフ) - ど素人ど底辺歌い手のつくよみさん» 誤植かな?どこか教えていただけると助かります^^ (2018年2月27日 16時) (レス) id: 73ad5e2308 (このIDを非表示/違反報告)
ど素人ど底辺歌い手のつくよみ(プロフ) - されど名前に、でも、はいりませんよ。 (2018年2月27日 6時) (レス) id: e1bb019e02 (このIDを非表示/違反報告)
鹿(プロフ) - みなみさん» おめでとうございます!先生かあっこちゃんか、はたまた真央ちゃんか迷ったのですが、年上の感じが出したかったので先生にしました!次は誰が出てくるかなぁ〜(*^_^*) (2017年11月16日 15時) (レス) id: 5b18a5bb03 (このIDを非表示/違反報告)
鹿(プロフ) - suzuranさん» 今季のエキシビションは何なの!全日本エキシまで待つの?でも出場出来なかったらオリンピックまで幻やでぇ(笑)書くことでロスを癒すテクニックを身に付けはじめています(笑) (2017年11月16日 15時) (レス) id: 5b18a5bb03 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:鹿 | 作成日時:2017年11月3日 21時