【わかってる】6 ★ ページ15
「なんか使えそうな機能がいっぱいだね、日野くん。」
「犯罪者みたいになっちゃったけどね(笑)」
そこ笑うとこか。
だけど、まだフェイの窃盗と不法入国のペナルティを正式に決めかねている俺は、この特殊な身体的機能をなんとか償いに結びつけることが出来ないか目下画策していた。
「だけど空飛べるって便利だよな。」
自分に羽があったら…と思ったことなんて何度あったか知れない。
「とりあえずさ、日野くん伝書鳩やれば？」
「やめてよ！」
冗談ぽく言う佳菜に対して、フェイが即座に拒否する。
でも待てよ…。そんなに遠くない距離なら、フェイだと情報を一早く届けることが出来るな。
これから北の塔へ行くことになるAの様子だって、随時見に行ってもらえるかも…。
「ちなみにさ、馬車で半日かかる距離って飛んだらどれくらいで着くの。」
なんとなく目安を知りたくて尋ねてみる。
「え？たぶん…一時間かからないんじゃないかな。」
「まじか！！」
そんな早いのか！
「直線で飛べるからね。」
…これ、使えるかも。
Aのことだけじゃなくて、他にも様々な用途に。
伝書鳩って言い方は悪いけど、まさにその役目にぴったりじゃないか。
「フェイ、お前さ。しばらくこの国に仕えろよ。」
というよりこの俺に。
「「え。」」
「窃盗と不法入国ともう一つ。これ。」
佳菜とフェイが綺麗にはもった後、自分の首を指差す。
「怪我？」
「一国の主の首に傷を付けた罪は重いよ。」
弾みで引っ掛かれた箇所を大袈裟にさすってみせると、フェイがフォークを咥えたまま口をとがらせた。
「わざとじゃないのにぃ。」
「だけどこれだけで済んでまじで助かったわ。あ、でもこれもし吸われてたらどーなってたの。」
あの場面では逃げるためにはなんでもやりそうだった。
「３年間、吸った人から名前を呼ばれたらすぐ飛んで来ちゃう体質になるんだよ。」
意外な答えに佳菜が吹き出す。
「下僕じゃん(笑)」
「だから禁止になったんだよー。美味しい血は貰えるけどそんな頻繁に呼ばれたら困るし、いらっとする。」
そうか、むしろ血を飲まないことにしたのは、バンパイア側の防衛策でもあるのか。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 153人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ど素人ど底辺歌い手のつくよみ(プロフ) - すみません、ページ数も書くべきでした。 …忘れてしまいました、すみません。 (2018年2月27日 18時) (
レス) id: e1bb019e02 (このIDを非表示/違反報告)
鹿(プロフ) - ど素人ど底辺歌い手のつくよみさん» 誤植かな？どこか教えていただけると助かります＾＾ (2018年2月27日 16時) (レス) id: 73ad5e2308 (このIDを非表示/違反報告)
ど素人ど底辺歌い手のつくよみ(プロフ) - されど名前に、でも、はいりませんよ。 (2018年2月27日 6時) (レス) id: e1bb019e02 (このIDを非表示/違反報告)
鹿(プロフ) - みなみさん» おめでとうございます！先生かあっこちゃんか、はたまた真央ちゃんか迷ったのですが、年上の感じが出したかったので先生にしました！次は誰が出てくるかなぁ〜(*^_^*) (2017年11月16日 15時) (レス) id: 5b18a5bb03 (このIDを非表示/違反報告)
鹿(プロフ) - suzuranさん» 今季のエキシビションは何なの！全日本エキシまで待つの？でも出場出来なかったらオリンピックまで幻やでぇ(笑)書くことでロスを癒すテクニックを身に付けはじめています(笑) (2017年11月16日 15時) (レス) id: 5b18a5bb03 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：鹿
| 作成日時：2017年11月3日 21時
