【追跡!】11 ★ ページ34
「どこまでの者がこの事を知ってんの!」
「私も只今お城の大臣からの知らせでこの事を知ったので…。」
まっちーもまだ把握しきれてないか。
「騎士団は今何やってる!」
「大輔さんは一足先に城へ向かった模様です。ただ…。」
まっちーが言い篭っている。
「ただ何!」
「Aさまも騎士団と一緒に行動されているとの情報が…。」
「はぁ?!」
今なんつった?!Aが城へ…。
バンパイアがいるのに?
ようやくプーの元へとたどり着いた俺は、繋がれている縄をほどきながらこうなっている今の状況を整理しようと、早口にまっちーを責め立てる。
「一応聞くけど…。俺に言わなかったのは誰の判断?」
こんな大事なこと、まずは俺に報告するのが筋だろう。それがないとなると、誰かの意図としか考えられないじゃないか。
「……。」
また黙り込んでしまったまっちーを、試合前の緊迫した形相で見つめる。
「答えろ。」
「…Aさまです。」
「……。」
舌打ちする。言葉もないとはこのことか。
だけどなんとなく事の経緯が見えてきた。
Aのやつ、俺に知らせずに自分で解決するつもりだったんじゃないだろうな。
「王子、ショーのご出演は…。」
……。
はっとする。
そうだ…。トリを滑るのはこの俺だ。
今まで散々準備と練習に時間を費やしてきて出ないとかお客さんが納得するだろうか。
それにバンパイアの事を理由にするにしても、今公表するとパニックになるのは目に見えてる。
「…俺の出番まであと何分ある。」
「一時間半ほどかと…。」
「それまでに戻る。」
解決出来るだろうかという不安は勿論あるけど、このままショーに出演するなんて出来るはずもない。
「正気ですか…。」
「やる。」
勢い良くプーに跨がって後ろ足で蹴ると、一気に走り出す。
行き先はもちろん城だ。
それにしてもAのやつ何考えてんだよ!
自分の身が危ないとか考えねーの?
大ちゃんが一緒なら心配ないのかもしれないけど、万が一血を吸われたりしてみろ!取り返しがつかねーぞ。
プーの走るひづめの音がやたら耳につく。
そんな中でも、俺は必死に解決策を思案していた。
.
162人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
鹿(プロフ) - カヨピさん» かなりゆっくりな展開になりそうですが、山あり谷ありで書いていきますね。知子さんのしゃべり方難しい(;・∀・) (2017年11月6日 16時) (レス) id: 5b18a5bb03 (このIDを非表示/違反報告)
カヨピ(プロフ) - めっちゃ、」昌磨君と知子ちゃんいいです。ドキドキで、感動して、毎日見ちゃいます (2017年11月4日 11時) (レス) id: ecb81f9aab (このIDを非表示/違反報告)
鹿(プロフ) - みなみさん» 海外のスケーターって、話し方がわからないからイメージしにくいです(*^_^*)羽生さんはとても個性のある話し方なので、いいですよね!パトリックはやっぱり羽生さんのライバルだよなぁと思います。また競いあってくれないかなー。 (2017年10月31日 16時) (レス) id: 5b18a5bb03 (このIDを非表示/違反報告)
鹿(プロフ) - 碧海さん» 何度も読んでくださりありがとうございます!大人な二人はまぁ期待せずに〜(*^_^*)でもここぞというシーンにいれたいですね。今回の主人公は敬語だから、なかなか新鮮味があっていいです。試合の前後は更新迷うんですけどね。 (2017年10月31日 16時) (レス) id: 5b18a5bb03 (このIDを非表示/違反報告)
みなみ - スケカナでパトリックがまさかの台落ち。ゆづがいなくて張り合いがなかったかな。フェイくんって、不思議な雰囲気はありますよね。私の中でスケーターでバンパイア、というと、ミハル・ブレジナがイメージなんですよ。青い瞳と八重歯のせいかな。 (2017年10月30日 23時) (レス) id: e2f297e7a8 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:鹿 | 作成日時:2017年10月14日 21時