【トマト】3 ☆ ページ3
「いえ、たいしたことじゃないんですが…。」
そう言いながら作業台に視線を向けるので、私もつられてそっちを見ると、そこにはかごに盛られたみずみずしい野菜が置いてあった。
「あら、サラダのお野菜なの？」
レタスやきゅうり、それにブロッコリー、アスパラなど、緑の野菜が多目だ。
「パプリカで代用するしかないか…。」
料理長の一言にノブさんが反応する。
「だめですって！ゆづはパプリカが苦手なんですよ？」
「でもトマトがないんじゃ彩りが悪いだろう？」
「そうですけど…。」
え、トマトがない？
私はもう一度かごに目をやる。
そういえばトマトがない分、若干色味にかけるかも。
「トマトが手に入らなかったの？」
「いいえ王女さま！王子さまはトマトが大好きですので、いつも欠かさず用意しております。」
料理長が否定する。
ではなぜトマトがここにないのだろう？
「実はトマトだけがごっそり無くなってしまったんです。」
ノブさんが困った表情で言う。
え、トマトだけが？
「まさか盗まれたのですか？」
「いいえ。今朝ここの鍵はかかってましたし、夕べ帰る時は確かにトマトはあったんです。」
「ではトマトが消えたと？」
「……。」
また首をかしげている二人。
「仕方がない。今回はにんじんで代用しよう。」
「こんなこと初めてですよ〜…。」
渋々にんじんを取り出すノブさん。
不思議なこともあるんだな、と首を捻りながらも、あまり時間がなさそうなので早速私から手伝いを申し出てみる。
「それ、切るの？」
貸して？と手を出す。
「え？いえ、王女さまにそんなことは…！」
やっぱり全力で拒否される。だけどここで引き下がる私ではない。
「いいの、私だって王子さまやスケーター達の為に何かしたいから。」
なかなか夫の役に立てないのを心苦しく思う事が多い中、こんな機会滅多にないのだから。
すると料理長も納得してくれたのか…。
「…では、サラダをお願いしましょうか。」
やった、了承してくれた！
「オッケー！切るだけだし、大丈夫！」
私は張り切ってサラダ作りに取りかかった。
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鹿(プロフ) - カヨピさん» かなりゆっくりな展開になりそうですが、山あり谷ありで書いていきますね。知子さんのしゃべり方難しい(；・∀・) (2017年11月6日 16時) (
レス) id: 5b18a5bb03 (このIDを非表示/違反報告)
カヨピ(プロフ) - めっちゃ、」昌磨君と知子ちゃんいいです。ドキドキで、感動して、毎日見ちゃいます (2017年11月4日 11時) (レス) id: ecb81f9aab (このIDを非表示/違反報告)
鹿(プロフ) - みなみさん» 海外のスケーターって、話し方がわからないからイメージしにくいです(*^_^*)羽生さんはとても個性のある話し方なので、いいですよね！パトリックはやっぱり羽生さんのライバルだよなぁと思います。また競いあってくれないかなー。 (2017年10月31日 16時) (レス) id: 5b18a5bb03 (このIDを非表示/違反報告)
鹿(プロフ) - 碧海さん» 何度も読んでくださりありがとうございます！大人な二人はまぁ期待せずに〜(*^_^*)でもここぞというシーンにいれたいですね。今回の主人公は敬語だから、なかなか新鮮味があっていいです。試合の前後は更新迷うんですけどね。 (2017年10月31日 16時) (レス) id: 5b18a5bb03 (このIDを非表示/違反報告)
みなみ - スケカナでパトリックがまさかの台落ち。ゆづがいなくて張り合いがなかったかな。フェイくんって、不思議な雰囲気はありますよね。私の中でスケーターでバンパイア、というと、ミハル・ブレジナがイメージなんですよ。青い瞳と八重歯のせいかな。 (2017年10月30日 23時) (レス) id: e2f297e7a8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：鹿
| 作成日時：2017年10月14日 21時
