【花束】3 ☆ ページ14
「完全にさっとんに身を任せてるんちゃうのこれ(笑)」
しかも昌磨のジャンプ遅れ気味。と素人目には分からないことを解説してくれる。
「合わせるのが苦手なのでしょうか?」
「せやわ、今の所かってずれてるし(笑)」
そっか、眠りの国の王子さまだし、まだ本調子じゃないのかも。
「ま、そもそも即席のペアやねんからプログラム自体がお客さんへのサービスみたいなもんやねんけどね。」
二人共シングルの選手だものね。ペアなんて慣れてないはずだし、ひょっとしたらゆづ王子が無理を言って頼んだのかも。
「でも赤の衣装が本当にステキ…。」
二人ともよく似合っているなぁと改めて思っていると、不意に大事なことを思い出す。
「あ、そうだ!ノブさん、私トマト泥棒かもしれない人の情報を得たんです!」
赤い色で思い出した!
「え?」
ノブさんが怪訝な顔で私を振り向く。
「始まる前この会場で、トマト食べながら歩いている人を見たって係の者が…。」
「嘘やん…。」
無くなってしまったトマト。
ひょっとしたら持ち込んだ物かもしれないけど、手荷物検査は厳しくチェックされているはずだし、そもそもトマトの食べ歩きなんて変だ。
「痩せてて顔色の悪い…男性みたいなんです。」
「ほんまに盗まれてたんや〜…。」
私がその人の特徴を話すと、鍵かけてたのに…。とノブさんが少し青ざめる。
「まだ確定したわけじゃないですけど、もしかしたらこの会場にいるんじゃないですかね。」
「お客さんとして?でもどうやって厨房に…。」
今度は腕を組んで考え込むノブさんに、私は一つ提案をする。
「ここは会場全体がよく見渡せるし、怪しい人がいないか観客席にも注意しながらショーを見ましょう。」
「でも今頃トマトを完食してたら分からへんよ?」
「痩せてて顔色の悪い男性…。」
今ざっと会場を見渡しても…さっぱり分からない。
そうこうしているうちに、昌磨さまと知子さんのプログラムが終わる。
拍手と歓声に包まれた二人に視線を戻すと、なんとに昌磨さまが知子さんにハグをした。
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鹿(プロフ) - カヨピさん» かなりゆっくりな展開になりそうですが、山あり谷ありで書いていきますね。知子さんのしゃべり方難しい(;・∀・) (2017年11月6日 16時) (レス) id: 5b18a5bb03 (このIDを非表示/違反報告)
カヨピ(プロフ) - めっちゃ、」昌磨君と知子ちゃんいいです。ドキドキで、感動して、毎日見ちゃいます (2017年11月4日 11時) (レス) id: ecb81f9aab (このIDを非表示/違反報告)
鹿(プロフ) - みなみさん» 海外のスケーターって、話し方がわからないからイメージしにくいです(*^_^*)羽生さんはとても個性のある話し方なので、いいですよね!パトリックはやっぱり羽生さんのライバルだよなぁと思います。また競いあってくれないかなー。 (2017年10月31日 16時) (レス) id: 5b18a5bb03 (このIDを非表示/違反報告)
鹿(プロフ) - 碧海さん» 何度も読んでくださりありがとうございます!大人な二人はまぁ期待せずに〜(*^_^*)でもここぞというシーンにいれたいですね。今回の主人公は敬語だから、なかなか新鮮味があっていいです。試合の前後は更新迷うんですけどね。 (2017年10月31日 16時) (レス) id: 5b18a5bb03 (このIDを非表示/違反報告)
みなみ - スケカナでパトリックがまさかの台落ち。ゆづがいなくて張り合いがなかったかな。フェイくんって、不思議な雰囲気はありますよね。私の中でスケーターでバンパイア、というと、ミハル・ブレジナがイメージなんですよ。青い瞳と八重歯のせいかな。 (2017年10月30日 23時) (レス) id: e2f297e7a8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:鹿 | 作成日時:2017年10月14日 21時