【トマト】1 ★ ページ1
★ゆづサイド
アイスショーを前日に控え、今日も夜遅くまで仕事に練習にと勤しんだ俺は、日付が変わる直前にやっと自室に戻ってこれた。
「はぁ〜…疲れた。」
ソファーに倒れ込む。
とりあえず何か飲もうかと、水差しのあるテーブルに向かう途中で、何か甘いにおいがするのに気付く。
「ん、なんだろ。」
バターの香ばしいにおい…?
鼻をくんくんとしながら辺りを見渡すと、紙にくるまれて何かがテーブルに置いてあるのが目についた。
しかもちょっと封が開いていたので、中をのぞいてみる。
「あ、クッキーじゃん。」
そしてその下に敷いてある、折り畳まれたカード。
これは…。
そっと手に取って、まずカードから見てみると、そこには見覚えのあるかわいい文字が。
「あ、Aからだ。」
最近まだまだ忙しくてあまり話せてないから、メッセージでもくれたのだろうか。
しかもクッキーまで…。
「嬉しい…。」
俺を気にかけてくれてこんな心遣いをしてくれる奥さんに感謝しつつ、早速クッキーを一つ口に放り込んで、どれどれ…と手紙を読んでみる。
ゆづさん。
毎日遅くまでお仕事と練習
お疲れ様です。
明日はいよいよショーですね。
無理せず、ゆづさんらしく
頑張ってください。
私も楽しみにしています。
最近お疲れのようなので
甘いのもを置いておきます。
よかったら
召し上がってくださいね。
ショーが終わって少し落ち着いたら
一度ゆっくりお話したいです。
A
「おぉ…。」
一通り読んでもう一度目を通していく。
ゆっくりお話か…。いいな、俺も会いたいわ。
だけど今行っても今日はもう寝てるだろうし…。
仕方ないのでクッキーを食べて元気出そ。
袋に手を突っ込んで、二、三個いっぺんに口に入れる。
それを数回繰り返すと、もう空っぽになってしまった。
「…もうちょっと食べたかったな〜。」
袋を丸めてゴミ箱に捨てて、カードはポケットに。
だけどA、扉の下じゃなくてちゃんと部屋に入って置いたんだな。
それを想像するとなんだかかわいらしくて頬がゆるむ。
結局バンパイアの件も、被害がないのはいいけど時間だけが過ぎていく始末。
執務室に報告にやって来る大ちゃんの愚痴聞くのも毎日大変だ。
だけど今は正直ショーを優先したいから、大人しくしてて貰えてむしろありがたいか。
Aだけが今の俺の癒しかな。と思いつつ、もう休むことにした。
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鹿(プロフ) - カヨピさん» かなりゆっくりな展開になりそうですが、山あり谷ありで書いていきますね。知子さんのしゃべり方難しい(;・∀・) (2017年11月6日 16時) (レス) id: 5b18a5bb03 (このIDを非表示/違反報告)
カヨピ(プロフ) - めっちゃ、」昌磨君と知子ちゃんいいです。ドキドキで、感動して、毎日見ちゃいます (2017年11月4日 11時) (レス) id: ecb81f9aab (このIDを非表示/違反報告)
鹿(プロフ) - みなみさん» 海外のスケーターって、話し方がわからないからイメージしにくいです(*^_^*)羽生さんはとても個性のある話し方なので、いいですよね!パトリックはやっぱり羽生さんのライバルだよなぁと思います。また競いあってくれないかなー。 (2017年10月31日 16時) (レス) id: 5b18a5bb03 (このIDを非表示/違反報告)
鹿(プロフ) - 碧海さん» 何度も読んでくださりありがとうございます!大人な二人はまぁ期待せずに〜(*^_^*)でもここぞというシーンにいれたいですね。今回の主人公は敬語だから、なかなか新鮮味があっていいです。試合の前後は更新迷うんですけどね。 (2017年10月31日 16時) (レス) id: 5b18a5bb03 (このIDを非表示/違反報告)
みなみ - スケカナでパトリックがまさかの台落ち。ゆづがいなくて張り合いがなかったかな。フェイくんって、不思議な雰囲気はありますよね。私の中でスケーターでバンパイア、というと、ミハル・ブレジナがイメージなんですよ。青い瞳と八重歯のせいかな。 (2017年10月30日 23時) (レス) id: e2f297e7a8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:鹿 | 作成日時:2017年10月14日 21時