時間と距離を超えて18

【お守り】8　☆ ページ8

「不安だなぁ…。」

「俺がついてるから。一緒に頑張ろ。」

「うー…。」

ゆづの笑顔に少し癒される。
誰よりも楽しみにしている様子を見ていると、温度差を感じることもあるけど、それはそれで嬉しい。

だけど、生まれたらどうなるんだろ…。
夜泣きとやらに襲われて眠れないとか？

とにかく一人じゃ無理だから、実家も巻き込んで両親とゆづの三人で子育てする形に持っていって…。

ゆづを完璧なイクメンになるように仕向けて、私は早めに仕事復帰…と。
よし、この作戦でいこう。

「何ガッツポーズしてんの。」

「母としての決意を滲ませてる。」

「お！珍しい。」

えらい。と褒めてくれる。

「だから今日は肉食べよう。」

近頃益々食欲が増し、こってりしたのもが食べたくて仕方ない。

「最近カロリーオーバーだぞ。今日は魚。」

「えー？！」

振り向きざま、渋い表情を見せつけてやる。

「母子手帳見たら、体重注意って書いてあった。」

「見たの？！」

「見た。」

いつの間に！
やっぱりゆづは抜かりない。恐るべし管理能力だ…そりゃオリンピックで金メダル獲るよ。

「うん、魚でいいです…。」

しょうがないので大人しくキッチンへ向かう。

「食後のおやつもしばらく禁止だから。」

「厳しい…。」

「赤ちゃんのため。」

「……。」

くっそー、食後の楽しみが…。
こういう所がドＳなんだよね…。

生まれる前からこんなんで、生まれたらどうなるんだろうと少し不安になった。



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