時間と距離を超えて18

【お守り】3　★ ページ3

★ゆづサイド

予定していた買い物がキャンセルになって、午後から暇をもて余すことになってしまった俺達。

Aがやけに静かだなと思っていたら、ソファーに座ってなんとゲームをしていた。

「それこないだ貸したままのDS？」

「うん。ゴルフゲームが面白くて。」

いつの間にか使えるキャラクターも増えている。
おお、これかなりやり込んでるわ。

「ふーん、じゃあそれAにあげるからさ。俺新しいの買っていい？」

やった。そろそろ最新の欲しかったんだ！

「え？いいけど、中に入ってるゲームは？」

「またダウンロードすっから。」

確か新しいシリーズが発売されてたはず。
早速iPhoneを操作して通販サイトでぽちっと…。

カートに入れた所でまた玄関のチャイムが鳴る。
軽快な音色とは反対に、心臓がひやっとして思わずiPhoneを抱き締める。

…今度は誰？
宅配便は届いたばかりだからまた、なんてあり得ないし。
不安になってAと顔を見合わせる。

「私出るよ。」

察してくれたAが立ち上がってくれるけど、もしもの事があったら困るのでやっぱり俺が対応することにする。

「いいよ、ここにいて。」

座ってるように言ったけど、後ろをついてくるA。
俺はとりあえず玄関先で、どちら様ですか？と来訪者に声をかける。
すると…。

「あ、私だよ。結弦君、開けてくれないか？」

え、ひょっとして！

慌てて靴を履いて扉を開けると、そこには荷物を抱えたAのお父さんが立っていた。

「お父さん！」

俺の後ろからAも驚きの声を上げる。

「やぁ、A。元気かい？」

「……。」

まさかのお父さんの登場にしばし唖然としている俺。
だけどいつまでもこんな所突っ立ってる訳にもいかないので、上がってもらうことにする。

「あ、入ってください。」

「帰って。」

俺とAの口から同時に正反対の言葉が出る。

「Aひどいなー(笑)」

だけど追い帰すなんてことは出来ないので、ここは俺の方を実行する。

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