【右頬】5 ☆ ページ5
「考えてみたら大したことないし、もう落ち着いたから。」
あくまでも何でもない風に言う。
「…そうですか。」
よかったです。と言われて、心の中で失笑する。
そして、田中君の車が走り去るのをその場で見送ったら、ずっと我慢していた涙が溢れた。
……。
それを拭いながらエレベーターに乗る。
幸い誰にも出会わずに実家の部屋まで戻れたので、ドアの鍵を開けて中に入る。
もちろんお母さんは仕事へ行っていて今はいない。
私は真っ直ぐ自室へ向かった。
「疲れた…。」
ベッドにダイブしたら、どっと疲労感が押し寄せる。
静かな部屋に私しかいないこの空間では、余計に悪い方へ妄想してしまう。
…ずっと頭を離れないあの記事。
でたらめだと信じたいけど、もしかしたらゆづは、消えない傷がかわいそうで私と結婚したんだろうか…。
やっぱり私の頬に対する同情の気持ちが少なからずあったのかも知れない…。
「ゆづ、優しいからな…。」
そんな部分がなかったって言い切れる？
スケート関係者が語った風に書いてあったけど、本当はゆづが誰かに言った事が巡り巡って…てことも…。
右手で頬の傷に触れながら枕に顔をうずめる。
この傷がなくても。
ゆづとこんな風に夫婦になっていたかな…。
「…自信ないな。」
なんだろう…。
こんなにもマイナス思考なのは、ゆづが今そばにいないから？
声でも聞けたら安心出来るだろうかと思い、そっとお揃いのiPhoneを手にする。
すると思いがけず着信音が鳴ってびくっとした。
…ゆづだ。
ひょっとしたらゆづもこの記事を読んで、何か思う所があって連絡をくれたのかもしれないと、画面をスライドして繋ぐ。
『あ、もしもし？！A？』
焦った声で電話してきたので、案の定読んだんだなと悟る。
「うん、どうしたの？」
だけど落ち込んでいるのを知られたくなくて、頑張って自分の声のトーンを上げた。
『あれ？…あの記事読んでないの？』
私の言い方が努めて普通だったからか、拍子抜けしたようにゆづが言う。
「読んだ読んだ。それがどうしたの。」
ゆづに心配かけないように、さも大したことなかったかのように。
私は女優にでもなった気分で明るく答えた。
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鹿(プロフ) - 心菜さん» 大丈夫ですよー(*・∀・*)ノ乗り遅れてないです。ただもう移行なので。また更新しておきます！オリンピックイヤーなのに、こんなことしててすみません(笑) (2017年7月3日 15時) (
レス) id: 13cf42ba90 (このIDを非表示/違反報告)
心菜(プロフ) - 乗り遅れました。おめでとうございます。今季もどうぞよろしくです。真凜ちゃん〜f(^_^;すき。心配性全開のゆづさん、いいですね！男の子かなぁ、女の子かなぁ。楽しみです。主人公ちゃんがんばっ！！ (2017年7月2日 22時) (レス) id: 15da2c977a (このIDを非表示/違反報告)
鹿(プロフ) - suzuranさん» 今回は生まれるまでの話もちゃんと書こうと必死です(笑)きっと羽生さん、こんな感じじゃないかと…。妄想は楽しいですね。真凜ちゃん、いいキャラです！ (2017年7月2日 8時) (レス) id: 13cf42ba90 (このIDを非表示/違反報告)
鹿(プロフ) - 智枝さん» 今季も遠出なさるんですねー。いいな！エコー写真はそれです。検索したらたくさ出てきました！かわいいかどうかは微妙でしたが、ハイテクですよねー。性別はもう…ね(笑) (2017年7月2日 8時) (レス) id: 13cf42ba90 (このIDを非表示/違反報告)
suzuran(プロフ) - ハッピーニューイヤー(*^^*) 相変わらず真凜ちゃんは真凜ちゃんですねw でも企画としてはウケそうですねw 羽生家第1子は男の子でしょうか？心配症な羽生さん良い！ (2017年7月2日 0時) (レス) id: 4f2407ab74 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：鹿
| 作成日時：2017年6月20日 16時
