時間と距離を超えて16

【お泊まり会】3　★ ページ36

「それ！ファンの人達も言ってたからね？幸せ太りのゆづなんてあり得ないって。」

「ん？」

「今の今から厳しくするから。」

Aから意外な言葉が出る。
いつもなら、そんなの気にしなくていいよ。とか言いそうなのに。

「あ、それでかな…。」

ジュンジュンが何か納得したように呟いて腕を組む。

「何？(笑)」

「今日姉ちゃん、周りの声にやたら反応してた。」

「わ！ジュンジュン！」

Aが、言わなくていいよ！と横やりをいれる。

「気になるー。教えて？」

ちょっとあざとかわいく言うとジュンジュンが…。

「羽生さんがジャンプ失敗した時、結婚して気が緩んでるんじゃないかってお客さんが言ってたの聞こえた。」

おぉっと…。こりゃまた厳しいな。

「あはは。んなわけねーし(笑)」

Aとの付き合いはもう一年以上になるんだ。もう生活リズムも出来てるから、今回の不調の原因は食べ物を食べなさ過ぎただけだ。

「とにかく私は心を入れ換えて頑張ることにしたから。」

カレーがテーブルに置かれる。もちろん俺のは少なめのやつ。

「あ、うまそう。」

「ゆづ直伝のカレーだよ？」

「羽生さん料理するようになったの？！」

「するよー(笑)」

これを作ったのはAだけど、作り方を教えたのは俺だ。

「コンビニのイメージしか無かった…。」

俺いつまで二十歳そこそこの印象が残ってんだよ(笑)

「ジュンジュンがお土産にくれたシュウマイもあるけど…ゆづは太るからいらないよね。」

え、シュウマイ？

「わ、ジュンジュンありがと。いや、俺もいるし。」

横浜のシュウマイっつったら仙台の牛タンと同じくらい有名じゃん。

「じゃあ１つだけね。」

そう言ってお皿に１つだけ盛り付けられるシュウマイ。
なんか、寂しい…。

「やっぱもう１つ…。」

「その甘えが２０グラム。」

…厳しい。



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