時間と距離を超えて14

【友達】6　★ ページ42

はぁ…。
今日何度目かのため息。

マットの上で身体をゆっくり動かしながらも、頭の中はAのことで一杯になっている。
なにも婚約を発表した日にこんなケンカしなくたって…。

Aの言うこともわかる。
田中もジュンジュンも。Aの中では基本的に同じなんだよな。

しかし、ジュンジュンが高校生になる年齢だったとは…。
Aとは７つ違いか…。いや、年の差なんて関係ない。好きになる時は全てのことが無意味だ。

「俺がそうだった…。」

きっとAが４つ下だろうが７つ下だろうが、おそらく好きになっていただろう。

それもあってジュンジュンと関わらせたくないのかもしれない。

それに、泊まりに来るって言ったか。
しかもショーなら、俺は前乗りだから二人きりでここに？

だめだ。それだけは絶対に！
男と女が一つ屋根の下なんて無茶苦茶にも程がある。

やっぱりこのままジュンジュンと繋がっているのはよくないな。
…でもさっき、好きにしろって言っちゃったし。

「悩む…。」

一番いいのは全てを打ち明けた上での付き合いだろうけど…。高校生相手に、黙ってろなんて通用しないだろう。

ま、Aの携帯壊れちゃったし、連絡は取れないから、しばらく頭を冷したら分かってくれるか…。

「あ、メッセージの返事…。」

せめてそれだけでも…いや、だめだめ。ずるずると関係を絶ちきれないままいきそう。

せっかく出来た友達と別れさすのは忍びないけど、また別の友達を…。

「ん？別の友達…。」

まてよ、ジュンジュンがだめなら誰ならいいんだ…。
女の子の友達とか？
それだと俺目当てで…ってこともある。

会社の人は全員年上だ。
じゃあ年下で？

「どこで知り合うんだよ。」

社会人なんて、ほぼ会社と家の往復だってA言ってたし。
遊びに行ってもいいけど、それじゃあ変な男に引っかからないとも限らない。

幸か不幸か、Aはマニアにモテる。
ジュンジュンは…どっち派か知らないけど、少なくともツイートを見る限りではまともだ。

「…まともな奴って少ないよな。」

今の世の中変な奴の方が多いじゃないか。
ニュース見てたらやばいのばっかだし。

Aには年下の友達なんて学生しか無理じゃん。
大学生？それこそ出会いがない。高校生なんてなおさら…。

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