【激レア】11 ★ ページ4
「あ、ありがと。練習頑張ってね。」
作り笑いでそう告げて、一刻も早くここから立ち去ってもらおうと不機嫌オーラを出す。
でも相手はやっぱり女子高生。そんな空気を読んでくれることもなく…。
「えっと、サインサイン!あと握手と写真もいいですか?!」
「……。」
この寒い野外の駐車場でか。
ちらっとその子の親御さんらしき人を見ると…だめだ、同じテンションで舞い上がってる。
これからAを乗せて帰らなきゃなんないのに。しかもリンクの周りでこんなこと…って偶然会っただけだけど。
そう言えば後ろからついてきていた二人は?
ふと来た方向を振り返ると、二人して田中の車に乗り込んでいた。
おい!…って俺のに乗ったらそれはそれでこの子の手前まずいけど、無視して帰る気じゃないだろうな。
車内の二人を見ると、なんだか俺を見てやけにニヤニヤしていた。さっきまでの小競り合いはどこ行った。
「羽生さん、これ!」
また女子高生に呼ばれる。鞄から出てきたのは練習ノートだろうか。
さっきサインって言ってたからここに書けということか。
とりあえずそれを受け取って車を机代わりにさっとサインだけ書く。
すると、あろうことか田中の車が発車した。
あ!先に帰りやがった!
「羽生さん?さっきの人知り合いなんですか?」
「へ?いや、知らない人。」
まずい。この世代の子に彼女と来てたことがばれたらあっという間にSNSで拡散される。それだけは阻止しなきゃ。
そして、今日だけだからね。と一言付け加えてノートを返す。
「ありがとうございます!」
握手だけして、急いでるからと写真は断った。
そしてソッコー車に乗って帰路につく。
くっそー、いくら俺と一緒にいられる所を見られたくないからって、なんだあのニヤニヤは!
少し乱暴にハンドルをきると、iPhoneがメッセージの着信を告げた。
信号待ちになった所でそっと開く。
『田中君に送ってもらったー。ゆっくりしてていいよ!』
はぁ?
田中に送ってもらうのはいいとして、ゆっくりってなんだよ。
あの子と何をどうゆっくりするって?
雑談とかか?…バカバカしい。
目の前の信号が青に代わったので、俺は持っていたiPhoneをぽいっと助手席に投げて、マンションへ急いだ。
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鹿(プロフ) - 心菜さん» あってもなくても。ひぎゃあ〜!ってなります^^ (2017年4月26日 16時) (レス) id: 13cf42ba90 (このIDを非表示/違反報告)
心菜(プロフ) - 鹿さん» ありますよww……で、良いんですかw。書くだけならいくらでも!(爆笑) (2017年4月25日 17時) (レス) id: 81bea81c1e (このIDを非表示/違反報告)
鹿(プロフ) - 心菜さん» 投げキッス最高でした!所で本物のキスは経験あるんですか?!って質問したいです(笑)そしてさらっと、ありますよ♪って言って欲しい(・∇・)そんな妄想を今朝しました。 (2017年4月25日 15時) (レス) id: 13cf42ba90 (このIDを非表示/違反報告)
鹿(プロフ) - suzuranさん» 私も皆さんの小説で癒されたいなぁ!(T_T)さすがに国別の時はあまり更新なくて寂しかったです。私の小説が誰かの楽しみになってたら嬉しいですが、益々やめられなくなってしまいますね(笑) (2017年4月25日 15時) (レス) id: 13cf42ba90 (このIDを非表示/違反報告)
心菜(プロフ) - 何で田中君には対抗心燃やすかなぁw。そこも主人公ちゃんの可愛いとこなんですが。国別EXの白鳥さん&crazy(投げkiss付)!生声絶叫ありがとう!にすっかりヤられています(*^^*) (2017年4月24日 21時) (レス) id: 81bea81c1e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:鹿 | 作成日時:2017年4月5日 14時