【衣装】1 ★ ページ12
★ゆづサイド
今日２つ目のプログラムはThe water is wide。
冒頭から4アクセルを跳ぶ、ショーのためのプログラムだ。
衣装は白のトップに黒のパンツ。
見慣れた感じだけど、これが一番イメージに近いかなと思っている。
俺の出番はほぼ終盤。
ここでショー全体の印象が決まってしまうから、丁寧に気持ちを込めて滑りたい。
会場に、今日二度目の名前がコールされると同時にお客さんの歓声でリンクが揺れる。
この瞬間がやっぱり一番幸せだ。
スケートをやってきてよかったと、心から思えるから。
氷の上を移動しながら、これから始まる３分間に思いを馳せる。
スタートポジションにつくと、ゆっくりと曲が流れ始めた。
The water is wide, I can’t cross over…
うつむいたままの自分とさよなさするために、遥か向こう岸を見る。
手を伸ばしても届きそうで届かない、まるで水に映る空を掴むように。
だけどせめて、ここから一歩踏み出してみようか…。
氷から伝わる冷たい空気は決して絶望なんかじゃなくて、それさえも自由に出来る権力の現れだ。
背負うものが重すぎて沈みそうになっても、俺は跳ぶことが出来る！
この足で、身体で、みんなが証人であるかのように、俺のスケートを認めてくれる人がここにいる。
スケートだけじゃない。
たとえ滑るとこが出来なくなっても、ずっと側で支えてくれる人がいたなら…。
その人と共に第二の人生を歩めるかもしれない。
……！！
幅のあるアクセルジャンプがきまる。
とたんに会場からのものすごい歓声が聞こえて、一瞬振りを間違えそうになる。
今までプログラムに特定の人を思い浮かべることなんてしたことがなかったけど、俺はこの曲を滑るたびにAを思い出すんだろうな…。
綺麗で伸びやかな澄んだ声が、曲の盛り上がりを引き立てる。
柔らかで力強いスケーティングで、リンクいっぱい使ってお客さんとコンタクトする。
試合じゃないから、手を伸ばせば届く距離だから。
こうやって今まで応援してくれた人達に、ありがとうの気持ちを込めて。
そして最後のスピンまで気を抜かずに演技する。
フィニッシュのポーズを決めたら、また大きな歓声に包まれた。
A、ちゃんと見ててくれたかな…。
周りにお辞儀をしながらちらっと関係者席を見る。
一生懸命拍手をしてくれているAがいて。
その隣に泣いている男の子が…。
なんだかミスマッチだな、と思いながらも感謝の気持ちを持ってリンクを後にした。
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鹿(プロフ) - みゆさん» ごめんなさい！ミスでお話が飛んでしまっていたので、直しました。もう見れますので、よろしければぜひ〜＾＾； (2017年3月21日 16時) (
レス) id: 4e9137a26b (このIDを非表示/違反報告)
みゆ - すみません…続編ってログインしなくちゃ見れないんですか？私、ログインしていなくて…お話が気になるので… (2017年3月21日 16時) (レス) id: 5c1a484834 (このIDを非表示/違反報告)
鹿(プロフ) - ゆめもちさん» ゆづはエキシビションでも真面目ですもんね。今他のスケーターがやっている、お芝居して滑るなんて、絶対やらないんだろうなーと思います(^○^) (2017年3月21日 16時) (レス) id: 4e9137a26b (このIDを非表示/違反報告)
鹿(プロフ) - suzuranさん» 引退してからのお話を考えるのって、時々難しいですね。こんなに長くなってしまったので尚更です(*^_^*)毎回ネタを妄想するのが大変！楽しいけど(笑)なので主人公にはまだまだ迷走してもらいます！ (2017年3月21日 16時) (レス) id: 4e9137a26b (このIDを非表示/違反報告)
鹿(プロフ) - 心菜さん» なんでもゆづにさせちゃうとか面白いなぁーと(*^_^*)得意そうじゃないですかー。子育て。まだまだ先の話ですが。後三年待ちましょう(笑) (2017年3月21日 16時) (レス) id: 4e9137a26b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：鹿
| 作成日時：2017年3月6日 15時
