【夏の風物詩】7 ページ37
「一花、座って？ソファーが壊れるから、ほら。」
俺が一花をなだめようと身体を押さえようとしたら、ひょいとソファーから降りた。
そして向かった先は…おもちゃ箱だ。
「またボールとバット？よほど気に入ってるんだね。ね、結弦。」
「……。」
なんだろう…複雑だ。
そしてテレビの中の高校球児がするように素振りをし出した。
「いっぱいほーむらん、うちたいなぁ〜。」
「一花、試合が始まるからこっちおいで？」
テレビの前に立たれたら邪魔だからか、Aに呼ばれて膝の上へ。
「パパの方へおいで？」
腕を広げて出来るだけ優しく言ってみる。
「…パパいじわるだからなぁ〜。」
今ちっちゃい声で一昨日のスケートに対する物言いが出た！
「いじわるじゃないし、練習だし！」
「どうせスパルタでドＳな教え方したんでしょ。」
氷の上に立つだけのどこにスパルタの要素があるんだ。
「言っとくけど、最初が肝心なんだから。」
スケートだけじゃない、全てのスポーツは基礎が出来てなんぼだ。
「ま、一花にスケートはまだ早かったんでしょ。」
「いーや、崇ちゃんなんて三才から…！」
やってるぞ。と言ってやろうとしたら、試合開始のサイレンが鳴った。
宮城県代表をかけた準々決勝。
その幕が切って落とされた。
「あー！」
「よし！！」
東北高校の攻撃。
せっかくのワンナウト１、２累だったのに、ファーストゴロでゲッツーだ。
まだ両チームともに得点がない。
「なかなかやるじゃん、このピッチャー。」
Aの母校の投手。背は低いけどコントロールが良い。
「この子のおかげでここまで来れたようなもんよ。将来プロに行ってくれないかなー。」
「野球でプロか。そんなの一握りだろうな。」
「スケートだってそうだよ。ゆづみたいに活躍してる人なんて数人でしょ。」
確かに野球人口とスケート人口を比べたら、その差は歴然だ。
「ママー、あのおっきなてぶくろなぁに？」
不意に一花がテレビを指差してAに尋ねた。
「手袋？あぁ、グローブのことかぁ。あれはね、ボールを素手で取ったら痛いから片方の手にはめるんだよ。」
Aが分かりやすく教えてあげると、ふーん。と自分の手のひらを見ている一花。
「そういやAピッチャーだったじゃん？あの頃使ってたグローブどうしたの？」
「え？ちゃんと嫁入り道具に忍ばせて持ってきてるけど？」
まじか！
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鹿(プロフ) - 厨二病さん» ありがとうございます＾＾羽生さんがなにかネタを提供してくれないかな〜と思う今日この頃。 (2018年4月5日 16時) (
レス) id: 73ad5e2308 (このIDを非表示/違反報告)
厨二病(プロフ) - すごく面白かったです！続編期待してます！ (2018年4月4日 0時) (レス) id: 660c61ccc2 (このIDを非表示/違反報告)
鹿(プロフ) - マナさん» ありがとうございます！長かったですよね〜。写真も野球もそんなに詳しくない中、よく書いたなって自分でも思います＾＾ここはほぼ子育てルームになっているので、またネタができたら・・・。ギャグですけどね！ (2018年3月22日 16時) (レス) id: 73ad5e2308 (このIDを非表示/違反報告)
マナ - ああああ 嘘でしょーーついに読み終わってしまった…これからでも続編書いていただきたい。。それほど素晴らしかった！！本当に面白かった！！これからも期待してますよー^^ (2018年3月20日 23時) (レス) id: 595eca3f4d (このIDを非表示/違反報告)
鹿(プロフ) - みなみさん» 羽生さんの口調好きですわ〜。なよっぽい部分もありつつ、攻撃的な部分もありつつ。けっこう独特ですよね、方言でもないし。(*・∀・*)ノ (2017年8月19日 18時) (レス) id: 5b18a5bb03 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：鹿
| 作成日時：2017年2月24日 18時
