【パパ】3 ページ22
「あの、すみません！後からかけ直します！」
とてもじゃないが一人でこの状態を終息させるのは不可能だと悟った俺は、後で履歴を見ればいいか、と一度切ることにした。
すると電話の向こうから、分かりました。と言われた気がしたので、お言葉に甘えさせてもらう。
通話を遮断して、またポケットにiPhoneをしまう。そしてまずは翔のご機嫌取りからだ。
「よしよし、翔？いい子だから泣かないで〜…。」
キッチンの椅子に座って優しくとんとんしてあげると、少しずつだけど落ち着いてくれる。
お腹はいっぱいのはずだから、またこのまま寝てくれるといいけど。
ほっと一息ついてふと思う。
こうやって抱っこしてると、翔はつくづくAに似てるな。
子供の頃に野球をしていた時の顔にそっくりだ。
「ふふ、さすが血だな。」
このままじゃ野球やるとか言いそうだな…。ま、男の子だし？元気にたくましく育ってくれればいっかな。
そんな未来を妄想していると、不意に何かが足に当たった気がして下を見る。
すると床にくしゃくしゃに丸まった手のひらサイズの紙のボールが転がっていた。
…ん？なんだこれ。
ふと目の前に人の気配を感じて今度は顔を上げる。
そこには怒りに満ちて涙に濡れた…一花が立っていた。
「う…うぅ。」
泣くのを必死に耐えている。
だけどそれよりも、もう１つ手に持ってる丸いものを投げようとしている方が気になる！
「一花。これ、投げたの？」
少し低い声で言う。
「えい！」
あ、投げた。…けど今度は俺まで届かなかった。
てかこれは現行犯逮捕だな。
俺は静かに翔をベビーベッドに寝かせて、キッチンに転がる２つのボールを拾ってから真っ直ぐ一花のそばへ寄った。
そして犯人の目の前にそれを突き出す。
「これは何かな。」
「……。」
俺が怒ってるのが分かるのか、黙ったままだ。
「人に投げちゃ危ないよね？」
わかる？と屈んで目線を一花に合わせる。
「あいほん、とった…。」
「これはパパのでしょ。」
「……。」
口を尖らせて不貞腐れている。
この表情もAにそっくりだ…。
「もう投げちゃだめだからね。」
俺は一花の手に２つのボールを置いた。
あまりきつく言いたくないので、これくらいにしておこう。
「……。」
じっとボールを見ている一花。
てかこれ誰が作ったんだ？
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鹿(プロフ) - 厨二病さん» ありがとうございます＾＾羽生さんがなにかネタを提供してくれないかな〜と思う今日この頃。 (2018年4月5日 16時) (
レス) id: 73ad5e2308 (このIDを非表示/違反報告)
厨二病(プロフ) - すごく面白かったです！続編期待してます！ (2018年4月4日 0時) (レス) id: 660c61ccc2 (このIDを非表示/違反報告)
鹿(プロフ) - マナさん» ありがとうございます！長かったですよね〜。写真も野球もそんなに詳しくない中、よく書いたなって自分でも思います＾＾ここはほぼ子育てルームになっているので、またネタができたら・・・。ギャグですけどね！ (2018年3月22日 16時) (レス) id: 73ad5e2308 (このIDを非表示/違反報告)
マナ - ああああ 嘘でしょーーついに読み終わってしまった…これからでも続編書いていただきたい。。それほど素晴らしかった！！本当に面白かった！！これからも期待してますよー^^ (2018年3月20日 23時) (レス) id: 595eca3f4d (このIDを非表示/違反報告)
鹿(プロフ) - みなみさん» 羽生さんの口調好きですわ〜。なよっぽい部分もありつつ、攻撃的な部分もありつつ。けっこう独特ですよね、方言でもないし。(*・∀・*)ノ (2017年8月19日 18時) (レス) id: 5b18a5bb03 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：鹿
| 作成日時：2017年2月24日 18時
