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【持ってて】6 ☆ ページ31

☆主人公サイド

さっきまで他の女性といたはずのゆづが、今私の目の前にいる。
そして…キスされている。

どうなっているんだろう…。
まさか私を追いかけてきてくれたの?

ゆづからのキスが徐々に深くなって、私の思考を停止させていく…。
あぁ…だめだ、何も考えられない。悲しいんだか嬉しいんだか訳がわからないことになってる。

ゆづはあの人がいいんじゃないの?
私なんて、ただの遊び相手なんじゃないの?

…でも、今こうして一緒にいるのは私だ。
そんな事を考えていると、不意にゆづの唇が離れる。

「A。俺の気持ち、届いてる?」

すこしかすれたかわいい声で言われて、私を抱きしめる力がより一層強くなった。

「分からない…。」

自分の今の気持ちを素直に伝える。
するとゆづが、何でだよ。と自嘲するようにつぶやいた。

「いろいろ言いたいことはあるけど、言い訳みたくなっちゃうし…どうしよ。」

子供みたいな素振りのゆづに、私の気持ちが少し好転する。

「ひょっとしてゆづ、今困ってる?」

さらに私の現実的な一言で、場の空気が一変した。

「あのな。人が必死で彼女の気持ちを繋ぎ止めようと頑張ってるのに、そんな悠長なこと言うな。」

張りのある声。でも怒ってない。
笑いを含んだその言い方に、私も少し笑顔になる。

「…ゆづ、私がいまいち人を信用できない理由って、何かな。」

突然の問いかけにもかかわらず、優しく頭を撫でて応えてくれる。
私は自分に自信がないのもそうだけど、人として大事な部分が欠けているような気がする。

「家族以外からの愛情を、知らないからじゃない…?」

その答えにはっとしてゆづを見つめる。
…そうかもしれない。私にここまでしてくれる人なんて、家族以外にはいなかった。

「…教えて。」

そう気づいたとたん、考えるより先に口が動いていた。

「いいよ。」

またキスされて、その気持ちよさに目を閉じる。
そしたらゆづが私の着ているコートをするりと脱がせて、床に落とした。

窮屈さから解放された私は、自然とゆづにしがみつく。するとゆづもコートを脱いで私を抱きしめてくれる。

一瞬、唇が離れて。
ベッド行く…?とささやいたゆづに、黙ってうなづいた。

【持ってて】7 ☆→←【持ってて】5 ★



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鹿(プロフ) - 心菜さん» じゃあ、裏でこっそり絞めちゃうような感じの話ですかね?^^ 怖いわ〜怖いけど面白そう!冷酷なゆづ。主人公を守ってほしいですね!四大陸まであとすこし〜! (2017年2月13日 17時) (レス) id: 081c59540b (このIDを非表示/違反報告)
鹿(プロフ) - ゆめもちさん» 最近Sっぽさが多くてどうかな〜と思っていました^^ なんかバトルするようなお話を書きたいですね。本人っぽさがなかなか出せませんが、乙女っぽいと話が進みにくいんですよねー。 (2017年2月13日 16時) (レス) id: 081c59540b (このIDを非表示/違反報告)
心菜(プロフ) - 私も怖いもの見たさです『阿修羅のような冷たい笑顔』を拝見したいですww。いえ、Sではないんですが、羽生さん美しいだろうなぁと。いよいよ4ccですね!楽しみですね! (2017年2月12日 19時) (レス) id: 81bea81c1e (このIDを非表示/違反報告)
ゆめもち - ついに!ですね。私用事があってしばらく見られなかったんですけど、久しぶりに見たらおぉ!で感じです。羽生くんの「阿修羅のように冷ややかな笑顔」絶対恐いですよね〜^ ^でも、Sが好きな私は嬉しい?(Mじゃないです!)彼女としてなら。 (2017年2月12日 17時) (レス) id: 7f41978512 (このIDを非表示/違反報告)
鹿(プロフ) - みなみさん» あまりにアクセスがすごくてうれしい反面怖くてアップしてしまいました^^;ここからどうつなげていくか…まだ定まっていませんが、けっこうはしょっちゃうかな〜。 (2017年2月11日 9時) (レス) id: 081c59540b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:鹿 | 作成日時:2017年1月30日 16時

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