時間と距離を超えて10

【プレゼント】5　☆ ページ16

「パーティーなんだからもっと派手なのにしろよ。」

「仕事だよ？あ、これなんてどうかな。」

グリーンの柄のやつ。

「肩あきすぎ。」

即効却下される。

「…じゃあこれは？」

「スカート短かすぎ。」

…文句多いな。

「じゃあこれ！」

私はAラインの、部分的にレースになっているブルーのドレスをゆづに見せた。

「…いいんじゃない？」

落ち着いてて。と言われて内心ほっとする。
よし。

「じゃあカートに入れまーす。」

既に登録済みのサイトだから、あっという間に注文し終わる。

「ちなみにいくらなの？今のやつ。」

「15,000円。」

「ふーん…え？！」

高すぎない？！とゆづが食いついた。

「ゆづこれでいいって言った。もう買っちゃったし〜。」

「まじかよ…まぁいいけど。」

あきらめたようだ。
自分はもっと高いイヤホン買ってるんだからこれくらいいいでしょ。

「ゆづは？どんなネクタイがいいの？」

「持ってるのはなんかストライプのが多いかな〜。」

ふむふむ、ということはストライプは避けた方がいいのかな。
また通販サイトで検索してみる。

「これかわいい。」

「どれ？…げ。プーさんかよ！」

それはさすがにやめろ。とゆづが怒った。
冗談なのに(笑)

「んー、ゆづもブルーにしよ。お揃い。これなんてどう？」

私は細かいチェック柄を選んで見せてみる。

「あ、いいかも。…ん？」

「どうしたの？」

ゆづが怪訝な顔をしたのでもう一度商品を見る。

「1,500円なの…。お前の10分の1かよ。」

あ、本当だ。
というよりそんなに高いネクタイが売ってない。
ブランドで絞ってみようかと再度検索をすると…。

「げ！い、11,800円？！」

たった一本のネクタイが一万円以上も！

「あ、それいい。それでよろしく。」

ひょいとのぞいたゆづの一言でプレゼントが決まってしまった。
ぬかった…。
ゆづと私じゃ、一万円の価値なんて天と地ほど違うの分かってないのかな。

ゆづを見ると涼しい顔でにこにこしている。
…いいけど、買うけど！

私は不本意ながらも、注文のボタンを押したのだった。

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