時間と距離を超えて10

【プレゼント】4　☆ ページ15

「会場が仙台なんだよ。」

Aはどんな仕事なの？と聞かれて、立ったまま話すのもな、と二人でソファーに移動して座る。

「うん、こないだ外資系のパーティーがあるかもって言ったよね？それが決まったの。」

「そうなんだ。」

「クリスマスは会えそうにないね。」

残念だけど。

「俺Aとハンバーグ作るの楽しみにしてたんだけどな。」

「誕生日プレゼント忘れたから、せめてクリスマスプレゼントはちゃんとしたいなって思ってたのに。」

去年もあげることが出来なかった。

「じゃあ、プレゼントの交換だけでもしよ。Aは何か欲しい物ある？」

顔をのぞき込まれる。
それはいいアイデアかも。でも突然言われてもな…。
うーん…と考えるけどなかなか出てこない。

「ゆづこそ。何が欲しいの？」

同じ質問を返すと、腕を組んで考えだした。

「そうだなー…あ！全日本でスーツ着るからネクタイが欲しい。」

ネクタイ？

「そんなのでいいの？」

「毎回テレビ出るとき困るんだよ〜…。同じのしてたらネットに書かれるし。それに初めての解説者デビューだぜ？Aのくれたネクタイでバシッと決めたいじゃん。」

そんなもんなのかな。まぁ悪い気はしないけど。
ゆづがネクタイか。それなら私は…。

「じゃあ私、ドレスがいい。」

「ドレス？！」

いつ着るんだよ(笑) とゆづに笑われる。

「今パーティーに行かなきゃならないって言ったでしょ。それに着ていくドレスだよ。」

露出が少なくてあまり派手じゃないやつ。

「ふーん、そっか。でも何買ったらいいのか全然わかんねーから自分で選んで。」

むしろ今から通販サイトで選べ。と言われて携帯を取り出す。

とりあえずドレスで検索するとなかなか手頃なのがたくさんヒットした。

「何色にしようかなー…。」

画面を見ているとゆづも一緒になってのぞき込んでくる。

「あ、青あるじゃん。」

私そんなに青のイメージかな、と思いながら他のも見ていく。

「パーティーだし…無難に黒かな。」

ゆづに、葬式かよ。と突っ込まれる。

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