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【Canada前編】3 ☆ ページ31

「髪濡れてる?」

「うん、さっき乾かしてたから。」

そうなんだ。と手を引かれてさっきまで私がいた場所まで戻る。
ゆづがドライヤーを持って私を座らせてくれた。

「乾かしたげる。」

返事をする間もなくスイッチが入って、髪をわしゃわしゃされる。
ゆづ、意外と雑だな。

「もっと優しくしてよ〜…。」

左右に身体が揺れてしまって、じっと出来ない。

「A髪長いんだもん。」

そう言えば最近美容室に行ってなかった。

「少し切ろうかな。」

せめてあと10センチくらい。

「ほら、こんなもんでいいでしょ。」

少し乱暴に髪を跳ね上げられる。
まぁだいたい乾いてたけど。
いつものようにシュシュでまとめておく。

「あ、何か飲む?」

ゆづを振り返ると、一瞬怪訝な顔をされた。
…どうしたんだろう。

「ん?いや、前から気になってたんだけど、Aいっつもピアスしてんじゃん。これ自分で買ったの?」

私の頬と耳に触れて、ゴールドのピアスを指で撫でられる。

「あ、これ?もらったの。」

「誰に。」

誰って…誰だっけなぁ。

「あ!留学してる時に知り合った日本人の子だ。」

名前は確か…小橋君だったかな。

「ふーん、それって男?女?」

ベッドサイドに追いやられて、問い詰められてるみたいになる。

「…男かな。」

「プレゼント?」

「帰国の時に…ね。」

なんだろう。ゆづがどんどん近づいて来る。

「ずっと着けてるから、特別なものなのかと思ってたけどそうなの。」

「そういう訳じゃないけど、外してたら穴がふさがっちゃうし?…わぁ!」

あっという間に押し倒された。

「じゃあそれ着けなきゃいけない理由はないわけか。」

「…ないといえばない、かな。」

今度は額の髪に触れられる。
目が合ったな、と思ったらすぐにゆづの顔が近づいてきて…キスされた。

だんだん、舌と舌が絡まるような激しいキスに変化していく。
しかもゆづの手が服の裾から入ってきて、すぐに私の弱い部分にたどり着く。
その瞬間、身体が跳ねた。

「ここは俺にしか触らせてないよね…。」

「あ、あたりまえだよ!」

他に誰がいるっていうの。

「A…ちょっとだけ。」

優しい声に申し訳なさで一杯になる。

「う、うん。」

今はされるがままに、痣の薄くなってきたこの身を任せて。
日本から遠く離れたこのカナダの地で、ほんの少しの間だけお互いを感じ合った。

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鹿(プロフ) - ゆめもちさん» もしくは簡単に読める名前ですね。私漢字が苦手で、読みにくい文字はひらがなにしちゃうんですよねー。気づいてました?^^ (2017年1月30日 16時) (レス) id: 081c59540b (このIDを非表示/違反報告)
鹿(プロフ) - みなみさん» 実際はこんなことないかもしれませんが、妄想^^4年前なんて全く注目していなかったゆづ。今じゃこんなお話を書いてしまって…罪悪感!笑 (2017年1月30日 16時) (レス) id: 081c59540b (このIDを非表示/違反報告)
ゆめもち - 名前をつけた意味がない小橋(笑)なんの意味もない!by小島て感じですね。でも二人以外は確かにいらないですよね。 (2017年1月29日 20時) (レス) id: 7f41978512 (このIDを非表示/違反報告)
みなみ - 甘〜いカナダ編、ありがとうございました。存分に羽を伸ばして休めることができたようで、現実の世界でもそういう時間が持てればいいな、と思ってしまいます。この間、久々に4年前の四大陸を見たら、ゆづの可愛いこと!大人になったな〜としみじみ。 (2017年1月28日 18時) (レス) id: e2f297e7a8 (このIDを非表示/違反報告)
鹿(プロフ) - 心菜さん» これからもっとラヴになっていきます^^ そうするとだんだん内容に悩んでしまいますが…。私もゆづロスですよ〜!あと半月で四大陸。インフルもう勘弁してー笑 (2017年1月28日 13時) (レス) id: 081c59540b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:鹿 | 作成日時:2017年1月16日 16時

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