検索窓
今日:8 hit、昨日:0 hit、合計:167,698 hit

【奮闘】☆ 4 ページ38

☆主人公サイド

「あ、ゆづ。あそこのコンビニに寄ろうよ。」

「いつものコンビニじゃないの?」

そう言いながらも、ゆっくり車を停めてくれる。
自宅近くのコンビニじゃお互い店員さんと顔見知りだから、二人で入るわけにはいかない。

私だけお店に入っても、車でばれるかもしれないし。ましてやゆづに行かせるなんてもってのほかだ。
だから今日は別のコンビニ。

「ゆづはここにいてね。暗いけどくれぐれも見つからないようにね。」

何が食べたい?と聞いたら、ミニサイズのカップ麺。と返事が返ってくる。

「あ、待って!」

「?」

車を降りようとしたらゆづに呼び止められる。
そしてポケットからネックウォーマーを出して、すぽっと私の頭からかぶせた。

「まだ完全に消えてない(笑)」

「あ…。」

そうだった。
いろいろ思い出してまた恥ずかしくなる。

たとえ首の痕は消えても、私がゆづの所有物の一つになってしまったような、不思議な錯覚。

「今いろいろ思い出した?(笑)」

「知らない。」

ゆづの言葉を無視して、車を降りた。

さすがに深夜のコンビニなんてお客さんも少ない。
季節外れのネックウォーマーをしていても、そんなに気にすることもないか。

今度こそお店に入って、ラーメン売り場へ。
えっと、ミニサイズ…。あ、春雨のがある!

これなら夜中に食べても太らないかも。
ゆづの分と2つかごに入れる。
後は…。

「あれ、A先輩?」

え?
聞きなれた声と呼び方に振り返る。
そこには職場でいつも私を振り回す人物が!

「た、田中君?!」

「こんばんは。こんな時間に一人で買い物ですか?」

辺りを見渡している。
そうだ、今店内には私と田中君しかお客さんはいない。

「たまたまだよ?!お腹すいちゃって(笑)」

まずい。
外にはゆづがいるのに、見つかると非常にまずい!

「春雨ラーメン2つ…ですか。」

私のカゴをのぞく田中君が首をかしげる。

「今日と明日の分!」

突っ込まれる前に言っておく。

「せめて違う味にすればいいのに(笑) え、A先輩の家、この近くなんですか?」

外でたまたま会った職場の同僚がする、ごく自然な会話が始まってしまう。

困ったな…。家はそんなに近くない。
近くないけど、どうやってここまで来たのか問われたら…。なんて言おう!

【奮闘】☆ 5→←【奮闘】★ 3



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (89 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
267人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

鹿(プロフ) - ゆめもちさん» 想像と現実が違ってたんですかねえ〜。勢いでっていうのほど話がつながらなくなる展開になるので、ここはまず仲直りですね^^ (2017年1月16日 15時) (レス) id: 081c59540b (このIDを非表示/違反報告)
ゆめもち - なぜ羽生さんは驚いてしまったのか・・・。最後までって決めたらやっちゃいなよ!と思うけど、やっぱりショックなんだろうな。好きな人の怪我は。早く仲直りして! (2017年1月15日 19時) (レス) id: 7f41978512 (このIDを非表示/違反報告)
鹿(プロフ) - みちさん» 田中の当て馬的存在が書いてて楽しいです!今はひたすら誕生日までのつなぎで、これもそんなたいしたことにはならないです^^書いてたらこんな流れになってしまっただけというか…。たまにはいいかな〜 (2017年1月14日 10時) (レス) id: 081c59540b (このIDを非表示/違反報告)
みち(プロフ) - う〜ん深刻な事態ですね。 でも、その後主人公ちゃんを抱きしめるゆづを想像しています。毎回田中のおかげ?で2人の中がどんどん近くなっていくと言うか、結構いい仕事してくれますね! (2017年1月13日 19時) (レス) id: e8907b1922 (このIDを非表示/違反報告)
鹿(プロフ) - ゆめもちさん» はい。今更新しておきました^^背中を押してくださりありがとうございます。あまり面白く書けなかったような気もしますが、よかったらどうぞ〜。やはり出来上がった夫婦は難しいですね^^; (2017年1月10日 17時) (レス) id: 081c59540b (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:鹿 | 作成日時:2016年12月23日 10時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。