【なんなの。】9 ☆ ページ34
「…なんなの。」
「え。」
急にベッドの上に沈黙が訪れる。
なんか、気まずい…。
ど、どうしよう。地雷踏んだかな…。
元カノの話題は出しちゃいけなかったのだろうか。
でも言ってしまったものは仕方がない。
ここは素直に謝ろうとしたら、ゆづが先に口を開いた。
「決めた。」
「…ゆづ？」
決意に満ちた表情で私を見る。
そして衝撃の一言を言い放った。
「今年の俺の誕生日。絶対Aの全部もらうから。」
へ？！全部。
しかも誕生日…って12月7日？
「もしや…最後までってこと。」
おずおずと尋ねる私。
「期限決めるのダサいって思ってたけど、心の準備も必要じゃん。それに、今ちょっと腹立ったから、Aにもその日までずっとどきどきさせるくらいのペナルティー与えてやる。カウントダウンまで後3ヶ月。よろしくね。」
「なんでそうなるの？！」
「お前がつまんねーこと言うから。俺がどんだけAのこと好きか証明してやるよ。覚悟してて。」
……。
目の前にゆづの顔が来て、素早く一度キスされる。
そのまま布団にくるまって背を向けられてしまった。
怒ってはなさそうだけど…そんな事よりむしろこれから3ヶ月間、私の精神的負担は大丈夫だろうか。
待って！何か準備とかあるのかな？！
えっとえ〜っと、…明日携帯で調べよう。
「電気消すよ？」
ゆづが少し振り返って座ったままの私に声をかける。
あわてて布団に入ると、すぐに照明が消された。
もぞもぞと身体を動かして寝る体制を整えていると、ゆづがそっぽ向けていた身体をこっちに向ける。
「？」
「麗香よりAのが好き…。」
暗闇で聞こえたその言葉に、嬉しい反面申し訳ない気持ちになる。
そんなこと言わせたかった訳じゃないのに…。
「ごめん。私も言わなくていいことだったのに。いいよ、私は全然気にしてないし。」
過去を責めることは出来ない。私だって初めてキスした人はゆづじゃない。
「いつだって、優しくしたいって思ってる…。」
そっと伸びてきた腕に抱き寄せられる。
そしていつか二人がたどり着くであろう行為を嫌でも想像してしまって、不安になる。
「…上手くできるかな。」
「Aは何も心配しなくていいよ。」
頭の上から聞こえる声にすごく安心する。ゆづが年上でよかったと素直に思う。
今はまだ、甘えさせてもらおう。
子供でいさせてもらおう。
こんな時だけ子供の振りをする、わがままな私を許して欲しい。
そう思いながら目を閉じた。
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鹿(プロフ) - ゆめもちさん» 想像と現実が違ってたんですかねえ〜。勢いでっていうのほど話がつながらなくなる展開になるので、ここはまず仲直りですね＾＾ (2017年1月16日 15時) (
レス) id: 081c59540b (このIDを非表示/違反報告)
ゆめもち - なぜ羽生さんは驚いてしまったのか・・・。最後までって決めたらやっちゃいなよ！と思うけど、やっぱりショックなんだろうな。好きな人の怪我は。早く仲直りして！ (2017年1月15日 19時) (レス) id: 7f41978512 (このIDを非表示/違反報告)
鹿(プロフ) - みちさん» 田中の当て馬的存在が書いてて楽しいです！今はひたすら誕生日までのつなぎで、これもそんなたいしたことにはならないです＾＾書いてたらこんな流れになってしまっただけというか…。たまにはいいかな〜 (2017年1月14日 10時) (レス) id: 081c59540b (このIDを非表示/違反報告)
みち(プロフ) - う〜ん深刻な事態ですね。 でも、その後主人公ちゃんを抱きしめるゆづを想像しています。毎回田中のおかげ？で２人の中がどんどん近くなっていくと言うか、結構いい仕事してくれますね！ (2017年1月13日 19時) (レス) id: e8907b1922 (このIDを非表示/違反報告)
鹿(プロフ) - ゆめもちさん» はい。今更新しておきました＾＾背中を押してくださりありがとうございます。あまり面白く書けなかったような気もしますが、よかったらどうぞ〜。やはり出来上がった夫婦は難しいですね＾＾； (2017年1月10日 17時) (レス) id: 081c59540b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：鹿
| 作成日時：2016年12月23日 10時
